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鳴子の米プロジェクト

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鳴子の米プロジェクトとは 

2006年春、プロジェクトスタート

平成18年4月から国の農業政策が大きく転換されました。本格導入された「品目横断的経営安定対策」により、大規模に耕作する農家以外は国の支援を受けることが難しくなります。鳴子温泉地域で、この支援の対象となるのは、620戸の農家のうち、わずか5戸でした。

山間地で米を作ることは、決してやさしいものではありません。それでも人々は米作りを続けてきました。そして、豊かなふるさとの自然環境が守られ、美しい景観が維持されてきたのです。

田植え風景しかし、このままでは鳴子温泉地域のような山間地で米を作る農家が消えてしまいます。

「鳴子温泉地域からこの風景をなくさないために」鳴子の農業を地域みんなの力で守っていこう。そんな思いから「鳴子の米プロジェクト」は始まりました。

「鳴子の米プロジェクト」は、大きな農家、小さな農家、旅館やホテルなどの観光業、こけし工人、女性グループ、JA、役所などさまざまな顔ぶれで構成されました。

そして、鳴子温泉地域の地域づくりを以前から指導している民俗研究家の結城登美雄先生を総合プロデューサーに迎えてスタートしました。

小さな利益にとらわれず、立場を超えて、同じ地域に暮らす人たちが、地域のことを考えてつながっていくことを大切にしてたくさんの力が集まりました。

このプロジェクトの総合プロデューサーの結城登美雄さんの「鳴子の米」に寄せる熱い思いを一部お伝えします。

総合プロデューサー結城登美雄さん『目隠ししてササニシキだのコシヒカリだの十種類くらい食べ比べたら、たいがい当たんねーな。日本の米は見分けがつかないほどまずい米なんてなくなったのに、商人の言葉でランクを付けている。食味計の数字をあてにしてブランドなんていうのはおかしい。ブランドというのは信頼ということ。これからここでやろうとしていることは、ていねいに、一生懸命、みんなで育てた、鳴子の米をブランドにすること。

条件の悪い鬼首みたいな山間地の人たちが米を渇望しながら米を作れるようになるまで、どれだけ時間がかかったかを共有する心が大事。一生懸命が報われる仕組みを鳴子で作っていきましょうよ。

今、米の売り渡し価格は1万3千円、1年間の労苦の賃金やいろいろな経費を取ったら、とても食べていける収入ではないの。今に農業やる人いなくなるね。農村もなくなるね。米づくりは地域づくりの基本、暮らしの基本だったんだ。米がなかったら鳴子の湯治だってなかったよ。米って農家だけで作るんじゃないんだ。食べる人が作る人と一緒になって応援していかないとね。農政で救うことはできないんだよ。

鳴子には年間83万人もの宿泊客があるんだ。旅館を出たら「ハイさようなら」ってなんだか冷たいね。例えば、帰りにおむすび二つ経木に包んで渡したら、鳴子の米の輪が広がる。鳴子の魅力も大きくなる。140ヘクタールで作ったら83万人分だね。

地域に鳴子の米を食べる食卓をいつでも、どこにでも作って、鳴子の米を食べる場をいっぱいにしよう。

「鳴子の米プロジェクト」は鳴子だけの問題でない。農家だけではなくいろいろな人が関わることで米の魅力を伝えていく、たくさんの可能性を含んだプロジェクトです。食味計に合わなければ、米を作った努力はゼロなのか?小さいゆえに小さな田んぼを軽んじていいのか?マイナスの要因をあきらめないこと。それは日本の農業をもう一度見直すことにもなる。』

鳴子の米プロジェクト代表上野健夫さん

作る人と食べる人のつながりと信頼が希望の鍵です

鳴子の米プロジェクトの出発は鬼首ですが、これは鳴子温泉地域全体に関わる問題です。私は中山平で稲作と肉牛生産をする農家ですが、数年前から「日曜山村学校」という農業体験の場をつくり、作る人と食べる人がつながるよさを実感しています。
「お米おいしかったよ」という食べ手のその一言が、作り手に勇気を与えてくれます。今、国の農政は大規模化、集約化へと進んでいます。地域全体が応援団になって農業を守っていけたら、小さな農家の多い鳴子温泉地域でも、次の世代も安心して暮らしていけると思います。
今やらなければと、鳴子の米プロジェクト会議の代表を引き受けました。

東北181号との出会い

東北181号の水田長い間、冷涼な気候のために米づくりに苦労してきた鳴子温泉地域の人たち。山間地で田を切り開き、一生懸命米を作っても、平成18年度からは国の支援も打ち切られてしまいます。

そんなとき「こういう有望な米がある」と紹介されたのが「東北181号」でした。「東北181号」は耐冷、耐病、良食味の低アミロース米品種の開発を目標に、平成13年に誕生した米でしたが、減反政策が進む中、新たに品種として採用しようという動きはほとんどなく、長い間埋もれていた米でした。それまで、山間地に向くそんなよい米があることを誰もが知りませんでした。

「山間地向けのそんな米があるなら、きっと鳴子の人たちの元気につながる」との思いから、宮城県大崎農業改良普及センター、古川農業試験場と何度となく協議を重ね、「宮城県奨励品種決定調査のための実証試験」がスタートしました。

こうして、古川農業試験場の指導の下、鳴子でも源流地域である鬼首地区の岩入(がにゅう)、寒湯(ぬるゆ)、中川原(なかがわら)三か所で栽培を試みることになりました。

鳴子の米プロジェクトはこんなことをしていきます

鳴子温泉地域の米づくりの希望のシンボルとして、新しいお米「東北181号」を栽培します

鳴子温泉地域の暮らしや農業を支える水源の地、鬼首。寒冷で日照時間も短く、もっとも米づくりに苦労してきた地区です。ひとめぼれやササニシキなど宮城県内の平野部で当たり前にとれるお米が育ちません。鬼首などの山間寒冷地に向く新しいお米「東北181号」を栽培します。

鬼首で米づくりに希望が持てれば鳴子温泉地域の農業全体が明るくなっていきます。

農家に18,000円。農家が安心して作れる価格で、食べ手が買い支える仕組みを作ります

田植え風景20年前、一俵(60s)あたり約18,000円だった生産者米価(農家が受け取るお金)は、現在では13,000円以下です。経費を差し引くととてもやっていけません。

プロジェクトでは、持続可能な価格として農家に18,000円が渡るしくみを考えます。食べ手が60s24,000円(5s2,000円)程度で買い支えれば可能です。差し引き6,000円を事務経費や保管料、米づくりの支援のほか、若者の農業支援などに当てます。(宮城県の調査では、稲作の平均生産コストは一俵あたり9,793円。18,000円から差し引くと8,000円あまりが収益となり、将来への希望が生まれます。)

鳴子温泉地域でとれるすべてのお米を「鳴子の米」として支え、守っていきます

「東北181号」に限りません。地域での消費を増やす工夫や「東北181号」とのブレンドなどにより、鳴子温泉地域でとれるお米すべてを、地域の大切な「鳴子の米」として支えていきます。

幅広いお米の食べ方を研究し、お米の消費を増やし、地域の食文化を豊かにしていきます

米余りと言われますが、米は国内で完全自給できる唯一の穀物。食べ方の工夫でもっと幅広い食べ方ができるはず。風土に根ざした昔からの食文化をもとに新しい食文化を創造していきます。「食が弱い」と評される鳴子温泉地域の観光の魅力アップにもつながるはずです。

食べものと器は切っても切れない関係。鳴子温泉地域の食と器を研究し、育てます

鳴子温泉地域には漆器職人、桶職人などの職人がたくさんいます。器の研究や開発は食のシーンを豊かにします。

1年限りではなく、息長く取り組んでいきます

まずは作り手と食べ手が手を携えることからはじめ、若い人が農業に関われる仕組みづくりや新しい仕事おこしなどにつなげていきたいと思います。過酷な競争原理や非情な市場原理を越えて、豊かな地域をつくっていくことが鳴子の米プロジェクトの目的です。

【問い合わせ】
●鳴子総合支所観光建設課 TEL0229-82-2026 FAX0229-82-2533
Eメールn-kanko@city.osaki.miyagi.jp
●NPO法人鳴子の米プロジェクト TEL0229-84-7367 FAX050-3338-7295
Eメールkomepro181@yahoo.co.jp

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