大崎市長 伊藤康志

 稔りの秋を迎えて

先日、市長室に1冊の本を届けていただきました。県庁農業土木OBのMさんが土地改良技術者としての集大成である「土着の哲学」という著書を自費出版され、私が巻頭のあいさつ文を寄稿したものです。Mさんにとっては、2年前に出版された「元禄潜穴」に続く第二弾です。

私が県議会議員時代から親交を深めていたMさんは、古川土地改良事務所幹部職員時代に「土地改良キャラバン隊」を組織し、年に百晩も集落に出向き、熱く土地改良事業を推進した苦労話や、思い出などがつづられています。「土着の哲学」の熱意と行動が農家を動かし、ほ場整備事業を加速させ、今日の大崎農業の基盤を築いていただきました。

おかげで今年の記録的な猛暑と小雨も乗り越え、大崎耕土が無事に豊穣の秋を迎えることができました。

しかし、日本を代表する穀倉地帯大崎耕土が、一朝一夕に今日を迎えたわけではありません。古くは伊達政宗公の大堰や内川の整備、鎌田三之助翁の品井沼干拓、河川改修や新田開発など、先人の血のにじむような努力がありました。近年では、紹介したMさんなど土地改良関係者の熱心な取り組みにより、岩堂沢ダムなどの農業用水ダムや、ほ場整備、利水事業が完工し、干害や水害を克服できる近代的生産基盤、レベルアップした大崎耕土が出来上がりつつあります。

中国には、水を飲むときはその井戸を掘った人への感謝を忘れてはならないという意味の「飲水不忘掘井人」ということわざがあります。稔りの秋を迎え、おいしい新米を食べながら、このことわざをかみしめております。感謝です。