大崎市長 伊藤康志

 新年の挨拶 

復興へのキックオフ

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年の3.11東日本大震災から間もなく10カ月になろうとしています。

この間、全国からの暖かいご支援と市民皆さまの復興へのご協力により、徐々に震災前の生活に戻りつつありますが、被害を受けた住家や商店街、道路や公共施設などの早期の復旧を加速しなければなりません。東京電力福島第一原子力発電所事故は、未だ市民生活に影響や不安を及ぼしている状況にあり、一日も早い収束と対策を講じる必要があります。

このような中、国においては12兆円余の第三次補正予算をはじめ、被災地の規制や税の特例などを認める復興特別区域法、復興庁設置法がやっとの思いで成立するなど、復興へ向けて本格的に動き出しました。

本市においてもこれらの予算や制度を活用し、復旧、復興に向け全力で取り組んでまいります。

私たちは今回の震災で多くの大切なものを失いましたが、その代わりに多くの教訓を得るとともに、大切なことに気づかされました。

特に、地域の特性を生かし環境に調和した社会インフラづくりや、持続可能な社会の実現に欠かせない食と水そしてエネルギーのあり方、家族や地域社会におけるコミュニティの強さなど、絆や連携がいかに大切であるかを改めて実感いたしました。

私自身も、今回の大震災を体験し、以前に読んだことがあるイギリスの経済学者E・Fシュマッハーの著書で、物質至上主義に警鐘を鳴らし、人間中心の経済学を説いた「スモール イズ ビューティフル」や、昨年末に来日されたジグミ・ケサル国王のブータン国が掲げている「国民総幸福量(GNH)」などは、今後の復興を果たす上で参考にすべき考え方だと思います。

本市では、復旧・復興を進める指針となる「震災復興計画」を、有識者による震災復興懇話会や市民参加の震災復興市民会議などを通して市民協働で策定いたしました。

「生き生きとした暮らしの再建」「安全で安心なまちづくり」「誇りあるふるさとの復興」「連携と交流による新たな大崎の創生」の4つの方針のもと、沿岸部への支援や東日本をけん引する、内陸部の復興モデルを目指して「真の豊かさ 連携と協働による大崎の創生」を実現しようとするものです。今春には具体的な実施計画をお示しできると思います。

復興へ向けて着実に歩み始めています。

去る11月3日の復興大会では、この復興計画を紹介するとともに、すでに締結している東京都台東区を立会人として、北海道当別町、愛媛県宇和島市、兵庫県豊岡市、栃木県小山市、秋田県湯沢市、山形県尾花沢市、最上町、遊佐町の8自治体との間で災害時相互応援協定を締結いたしました。

復興大会を契機にして、元気な大崎市をアピールする動きも加速します。

地元の産業界で立ち上げたNPO未来産業創造おおさきが中心となり「復興から飛躍へ!メイド・イン・おおさき」をテーマに開催された「おおさき産業フェア」には、72の企業・団体が出展し、3日間で延べ7千人が訪れました。

酒、味噌、醤油、漬物など地域に根付いた発酵技術の活用による地域活性化を考える「全国発酵食品サミット」は、県内外から500人の参加がありました。

東北に再び活気を呼び戻そうと、観光に携わっている皆さんも動き出しています。「着地型観光で地域を変えよう」をテーマに開催された「観光推進シンポジウム」には300人が参加し、地域資源を生かした体験・交流・学習を楽しむ「着地型観光」の可能性を探りました。平泉や首都圏への観光キャラバンも実施されました。

被災の中、ご支援ご協力いただいた皆さまに改めて感謝と敬意を表します。

決して平坦な道ではないと覚悟しておりますが、多くの人々に励まされ、支えられながらこれらの絆と連携により、復興を実感できる年にしてまいりたいと念じながら新年を迎えました。

着実に復興への光明も差しはじめております。トヨタグループが進めている関連企業の統合、新会社設立、エンジン工場の稼働と、東北をものづくり第三の国内生産拠点にする取り組みは、着実に前進しています。

平成25年4月から6月に仙台・宮城デスティネーションキャンペーンが開催されることが決定しました。平成20年に開催されて以来2度目となるDCの開催は、復興に弾みがつくことが期待され、プレDCが動き出します。昨年の東北新幹線全線開業や平泉世界文化遺産登録、さらに、今年開催されるいわてDCとの相乗効果も期待されます。

これらの追い風を着実に捉えるため、本市においても「みやぎ大崎観光公社」の設立、「NPO未来産業創造おおさき」や「おおさき発酵と食文化研究会」との連携、環境保全型農業の推進と六次産業化、グリーンエネルギーの普及と関連産業の創造といった施策を展開します。さらに、市民生活に直結している大崎市民病院本院建設工事の着工、新岩出山分院の診療開始、古川第一小学校と古川東中学校の建設着工、中心市街地の復興への取り組みなど、復興と宝の都(くに)・大崎の実現に向けてまい進してまいります。

今年の干支は「辰(竜)」です。竜は中国では皇帝のシンボルで非常に縁起の良い象徴といわれております。「雲は竜に従い風は虎に従う」「画竜点
睛」の故事にあやかり、物事をうまく完成させることができるように念じながら、一日一日前進してまいります。

一日も早い復興と市民皆さまのご健勝をお祈り申し上げ年頭のご挨拶といたします。