大崎市長 伊藤康志

新年の挨拶

「創生」内陸の復興モデルを目指して

新年明けましておめでとうございます。皆さまには、ご家族おそろいで希望に満ちた新春を健やかにお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。

早いもので東日本大震災から1年9カ月が過ぎましましたが、私たち東北人は平成23年3月11日の「衝撃」の日を決して忘れることはありません。あの日の午後2時46分、マグニチュード9.0という国内観測史上最大で「千年に一度の巨大地震」といわれる「東北地方太平洋沖地震」が発生しました。その後に起きた津波で沿岸部では街が壊滅的な被害を受けるなど悲しくてやるせない出来事が、自然の力の恐ろしさを、否応なく誰もが強烈に記憶することになりました。

しかし、大震災から一年を経過したころからメディアの扱いが小さくなり、首都圏を歩くと震災が風化しつつあると感じるようになりました。昨年12月の衆議院議員総選挙での各党の公約や候補者の訴えも、復興政策などがトーンダウンするなど被災地として危機感を持ちました。私たちは、大震災の記憶を風化させないよう次代へ語り継いでいかなければなりません。

震災から3年目の本年は、一部を除いて3月末の完了を目指して復旧に向けた取り組み作業を進めています。

また、まちづくりの指針となる総合計画後期基本計画をはじめ、産業振興計画・後期計画、都市計画マスタープランに基づき復興に向けた本格的なまちづくりが始まります。

復興への取り組みについては、被害の大きかった商店街に再び活気を取り戻すための「中心市街地復興まちづくり計画」が三月末の策定を目指してます。

災害公営住宅については、本市が直接建設する50戸と、民間が建設した住宅を買い取る120戸とともに平成26年度当初入居開始を目標に事業を進めています。

カントリーエレベーター建設事業については、2月中に建設用地の造成事業を発注し、平成26年産米から活用できるよう事業を進めています。

市民病院本院建設事業については、大震災の影響や、発生残土の処理と建設資材の出荷制限などにより、当初より数カ月の遅れが見込まれますが平成26年3月の竣工を予定しており、早期の開院を目指します。

復興の役割を果たす道路建設事業については、国道108号古川東バイパスの鶴ヶ埣から旭までの2.3キロメートルと、国道4号三本木地区1.9キロメートルは、3月末の供用開始に向けて工事が進められています。国道108号花渕山バイパスは、トンネルや橋の工事が順調に進んでおり平成27年度完了を目指します。

また、地域防災計画の改訂については、住民懇談会での意見なども参考にし震災対策編と風水害対策編の見直し、原子力災害対策編も新たに加え、総合的な防災対策の指針となるよう防災会議で取りまとめ、早期の策定を目指します。

さらに、今年は復興に弾みが期待される取り組みも展開されます。

宮城県で2度目となる仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(DC)が4月から6月まで開催されます。一般社団法人みやぎ大崎観光公社を中心に「再興」「連携」「創造」「感謝」を取り組みのキーワードとして「多彩な旅の提案」「感謝のおもてなしの推進」などを柱として取り組みます。併せて、まちなか観光を進めるため、みちのく古川食の蔵醸室の中に、まちの駅構想による「(仮称)大崎市観光物産センター」が設立されます。

本市経済の活性化として自動車の内外装樹脂部品を製造している愛知県清須市に本社を置く「豊田合成株式会社」が、東北地区の品質管理や部品調達などを統括する新会社「TG東日本株式会社」を今月から古川地域の空き事務所を活用し設立します。

本市には、首都圏などで活躍している44人の「おおさき宝大使」がいます。中でも昨年10月見事に2度目の防衛を果たしたWBC女子ボクシング世界ミニフライ級チャンピオンの藤岡奈穂子さんと、大相撲九州場所で四場所ぶりに優勝し23回目の優勝記録を達成した横綱白鵬関からは、今後の復興への士気を高める勇気とファイトをいただきました。お二人をはじめ宝大使の皆さんのますますの活躍を期待します。

今年は偉大な郷土の先人、鎌田三之助翁の生誕150年の記念の年です。翁は、1863年(文久3年)1月13日、鹿島台地域の竹谷に生まれ、品井沼干拓事業に打ち込み「わらじ村長」の名で親しまれた偉人です。産業振興のために互市を興し、村財政の立て直しにも尽力されました。翁が終生貫き通した「仕事に励み、何事にも工夫・倹約して当たる」という「維勤維倹」の哲学は、復旧から復興へと向かう私たちの進むべき道が諭されています。

今年の干支は「巳(ヘビ)」です。巳は、今まで冬眠していた蛇が春になって地面より這い出す形で、転じて従来の因習的生活に終わりを告げるという意味があります。また、蛇は脱皮して成長することから再生の象徴でもあります。「巳」にあやかり、今年は震災からの復興をさらに加速させ、内陸の復興モデル、宝の都(くに)・大崎を創生してまいります。

皆様のご多幸をご祈念申し上げ、新年のごあいさつといたします。