平成29年6月24日(土曜日)、第10回世界農業遺産勉強会を開催しました。

 

大崎地域では、昔から途絶えることなく続けられてきた農業の営みや農村の伝統、文化など、未来に残し、伝えるべき大切な農業システムの「世界農業遺産(GIAHS)」認定を目指しています。

世界農業遺産勉強会では、世界農業遺産とは何か、大崎地域の農業遺産の宝とは何かを市民の皆さんとともに再認識し、さらに、その価値をより高め継承するための取り組みについて学び、考えることを目的としています。

 

第10回目となる今回は、「遊佐 平左衛門宣次(ゆさ へいざえもんのりつぐ)の水管理構想と大崎耕土」と題し、大崎市鳴子温泉地域中山平地区および南原地区を会場に開催されました。講師として、上野健夫さん、上野孝作さん(ともに南原親交会)、川島秀一先生(東北大学災害科学国際研究所 教授)をお招きし、370年前に開削され現在も利用されている灌漑・生活用水路「南原穴堰(みなみはらあなぜき)」や南原穴堰を構想した江戸時代の役人・遊佐平左衛門宣次、そして東北地方に特徴的な相互扶助組織「契約講(けいやくこう)」について、それぞれご教授頂きました。参加者は大崎市内外から事前申し込みのあった18名で、現地見学や講話に真剣に聴き入っていました。

南原穴堰の見学

午前は現地視察を行いました。上野健夫さんのガイドのもと、南原穴堰を見学しました。

鳴子温泉地域南原地区の山中を流れる水路に沿って進んでいくと、南原穴堰があります。

 

南原穴堰の穴頭(取水口)

南原穴堰の穴頭(取水口)。水路の水はここからトンネルの中を通り、約1.3km先の穴尻(出口)に出ます。

 

遊佐大神の碑

南原穴堰の穴頭から穴尻へ移動する間、遊佐平左衛門宣次をまつった「遊佐大神の碑」を見学しました。

 

遊佐大神の碑

遊佐大神の碑。遊佐平左衛門宣次は、南原穴堰を開削した功績から「遊佐大神」と称えられています。

 

南原穴堰の穴尻(出口)

南原穴堰の穴尻(出口)

 

上野孝作さんの講話

午後、上野孝作さんより講話をいただきました。南原穴堰開削の歴史や、現在も実際に維持管理している方々の管理の工夫、そして南原地区の豊かな生きものについてお話しいただきました。

 

川島秀一先生の講話

上野さんの講話に続き、川島秀一先生より講話をいただきました。東北地方に特徴的な相互扶助組織「契約講」について、自然災害時の集落の対応を中心に、現在にも生きている契約講の価値についてお話していただきました。

 

【参加者の感想】

・現地見学付きは、とても良かったです。生き物や山野草も見る事ができました。歩いて水管理の大変さも少しわかりました。

・現地と現地の方々の声、とてもよかったと思います。机上の勉強会もよいが、今回のような企画はどんなところが農業遺産としてよいのか分かるような気がします。

・地元で水管理を継続している方々の講話は、未来にむけての苦悩もうかがいまして、知恵を継続する人材を希求していることも切実であるのだと感じました。

 

世界農業遺産に関する情報は世界農業遺産(GIAHS)情報 大崎地域の農業を世界農業遺産へ(内部リンク)