モデル事業の実施背景

市では、市民が主体的にまちづくりを実践し、自立した地域運営を展開していくため、まちづくりに参画できる仕組みや、市民のニーズにあった円滑で効率的な行政運営を実践し、市民一人ひとりが新しいまちづくりの主役として、市民と行政が一体となり共に行動できる協働のまちづくりを目指し、地域自治組織への活動支援に努めています。

支援にあたっては、少子高齢社会の進行に伴う人口減少やライフスタイルの多様化による地域課題の多様化と潜在化、危機的財政状況そして地方分権化の中で、今後、“行政だけでは対応できない課題”が増えており、この地域自治組織の活性化そして地域自治組織との協働こそが本市の発展を左右する重要な課題であると捉え、総合計画の重点プロジェクトに位置づけし、「自治を育てる」を基本理念としながら、地域自治組織の基盤形成と市民協働によるまちづくりの仕組みを市民と行政がともに育んできました。

しかしながら、近年では、地域の担い手の不足等による組織役員の高齢化や重複化、事業の多様化などによる組織の弱体化が見受けられ、今後も地域自治組織の維持や地域課題解決に向けた協働のまちづくりを発展させていくためには、これらの地域自治組織の組織体制の強化を図ることが急務となっています。

そこで、従来の地域自治組織活性事業交付金(基礎交付金、チャレンジ事業交付金及びステップアップ事業交付金)を活用しながら、人口減少などによる地域課題の深刻な地域自治組織に対し、地域支援コーディネーターを地域雇用することで、煩雑化している地域自治組織の組織体制の強化と併せて、まちづくり団体事務局の運営支援を行いながら、地域行動計画を策定し、地域住民が必要としている事業を実施するためのコーディネート機能を含めた体制整備に対する推進策として、「地方創生に伴う大崎市地域自治組織戦略体制整備モデル事業」を創設しました。

モデル事業の趣旨

モデル事業は、地域自治組織が抱える固有の課題整理や現状分析等による実態調査、そして、地域行動計画の策定及び将来の地域づくりの担い手としての人材育成支援などの事業を行い、より自立性の高い地域自治組織の強化と、将来的には行政に依存することなく財源を確保した組織運営を図ることをねらいとしています。

また、各課より各種団体に対し交付している補助金や交付金又は委託している事業のうち、地域自治組織に事業移管等ができるものも存在していることから、今後、地域に事業移管ができる事務事業の整理を行うとともに、個々に交付している補助金を将来的に統廃合し、メニュー事業の選択制の導入の検討や地域自治組織から地域住民が必要としている事業の提案をいただきながら継続して地域自治組織が自立性を持った事業展開が図れるように推進するものです。

モデル事業の実施内容

モデル事業の実施にあたっては、大崎市地方創生に伴う地域自治組織戦略体制整備モデル事業交付金交付要綱を定め、おおさき市地方創生総合戦略に基づき、個性輝く小さな拠点づくりとネットワークの構築を推進するための地域自治組織の組織体制強化と地域の特性や資源を活かし、地域ニーズに即した事業の仕組みづくりの構築を目的に行う事業に要する経費について、大崎市地方創生に伴う地域自治組織戦略体制整備モデル事業交付金を交付しました。

モデル事業実施団体は、「地域支援コーディネーター」を地域雇用し、地域の調整役として、地域における小さな拠点づくりとネットワークの構築を推進するため、次に掲げる業務を行っています。

  1. 地域自治組織の組織体制強化又は地域で活動する地域づくり団体の支援
  2. 地域自治を推進する中間支援組織など、これらの関係団体間とのネットワークの構築
  3. 地域自治組織が地域住民と地域づくりを推進するための具体的な方法等を定めた行動計画の策定支援
  4. 地域づくり活動を担う人材を育てる体制づくりの支援
  5. 地域の生活支援体制の準備に係る調査の実施
  6. 地域の特性や資源を活かし、地域ニーズに即した事業企画の支援 

大崎市地方創生に伴う地域自治組織戦略体制整備モデル事業交付金交付要綱 [328KB pdfファイル] 

モデル事業の期間の設定

住民自らが地域の課題を明らかにし、地域の将来像を相互に共有し、自立した事業活動を進めていくには、人材育成や情報の収集・発信、経営的な視点での活動、まちづくり団体や関係機関との連携・協力体制など、複雑かつ多岐にわたる取組みを総合的に行っていく必要があることから、相当の時間がかかります。

また、地域自治組織を支援し、協働関係を構築していくということは行政にとっても課題になります。市民と行政の役割や立場、責任を明確にし、信頼関係を構築することにより地域力、行政力を高めていくためには、「地域自治を育てる」という視点からの行政の取組み(仕掛け)が重要となります。

そこで、平成28年4月1日から平成31年3月31日までの3年の期間をモデル事業期間と定め、その分析・検証結果を踏まえながら、平成31年度以降の支援のあり方を見直すこととしました。

モデル事業実施対象者

モデル事業交付金の交付対象者は、まちづくり協議会(大崎市まちづくり協議会条例(平成18年大崎市条例第25号)第2条に規定するまちづくり協議会をいう。)及び地域づくり委員会(大崎市まちづくり協議会条例施行規則(平成18年大崎市規則第24号)第4条に規定する地縁型の地域づくり委員会をいう。)です。

対象とする団体数は、まちづくり協議会が7団体、地縁型の地域づくり委員会が35団体としています。

地域提案による公募方式

モデル事業は、「地域課題解決のための持続的な取組体制の構築」、「コミュニティ基盤の確立」など、あくまでも地域の多様性に対応した地域活動(課題)の特性・実情に応じた仕組みづくりになります。

モデル事業の実施団体の選定は、「宝の都(くに)・おおさき市地方創生総合戦略大崎市地域自治組織戦略体制整備モデル事業実施団体募集要項」を定め、画一・公平・平等を基調とした施策(コミュニティ・ミニマム)から、地域自治組織からの事業提案に基づく公募方式を採用しています。

パートナーシップ協定書の締結

実施団体と市は、おおさきパートナーシップ(地域自治組織戦略体制整備モデル事業)協定書を締結し、対等なパートナーシップのもとに事業運営に取組み、より一層の地域自治組織の基盤形成と市民協働によるまちづくりを推進しています。

他施策との連動したモデル事業の実施

1.地区公民館の指定管理者制度との連携

大崎市総合計画の重点プロジェクトのひとつである大崎市流地域自治組織の確立とともに、市民協働型社会の実現と行財政基盤の確立を目指すため、平成24年度から市内18の地区公民館に指定管理者制度を導入し、地域自治組織が地域運営を行っています。

公民館の究極の目標は「自治力」の向上であり、地区公民館の地域運営もそのひとつの手段・手法であるといえます。

モデル事業の実施は、地区公民館の地域運営と併せて展開することで、地区公民館の円滑な運営及び地域自治組織の基盤形成がさらなる効果を生むものであり、連携事業として位置づけています。

2.地域包括ケアシステムの構築との一体的な推進

本市では、高齢者になっても住み慣れた地域で生き生きと生活ができるよう、既存の仕組みを生かした新しい包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進するため、平成29年度から社会福祉課内に地域包括ケア推進室を設け、「健康づくり」、「自立支援」に、本市独自に「地域づくり」を加えた3つの柱で、地域と医療と介護が一体となった大崎市流包括ケアシステムを目指しています。

地域に「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」を配置し、既に地域で行われている様々な事業活動に地域包括ケアの視点を取り入れるなど、地域包括ケアシステムの構築に向けた取組みとして、生活支援体制整備を行うことで、高齢者等の生活を支える地域の仕組みづくりを推進しています。

モデル事業の実施にあたっては、「地域支援コーディネーター」の設置が必須となり、その業務は、生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)と重なる部分もあることから、地域支援コーディネーターと生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の機能・役割を一体のものとして推進していく仕組みを取り入れています。

さらには、協議体の形成を地域自治組織の単位として推進することで、多様な主体による介護予防・生活支援サービスの重層的な提供を行う基盤づくりが行えるなど、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現することが期待されます。

大崎市地方創生に伴う地域自治組織戦略体制整備モデル事業実施団体

古川地域

団体名:宮沢地域振興協議会

事業名:地域人材バンクを活用したコミュニティ再構築事業

おおさきパートナーシップ協定の締結:平成29年3月30日

事業実施期間:平成29年4月1日から平成31年3月31日まで

松山地域

団体名:松山まちづくり協議会

事業名:絆のつよい地域づくり事業

おおさきパートナーシップ協定の締結:平成28年8月29日

事業実施期間:平成28年9月1日から平成31年3月31日まで

岩出山地域

団体名:池月地域づくり委員会

事業名:池月サポート事業

おおさきパートナーシップ協定の締結:平成28年6月29日

事業実施期間:平成28年7月1日から平成31年3月31日まで

団体名:岩出山地域づくり委員会

事業名:地域団体ネットワーク整備と活性化バックアップ事業

おおさきパートナーシップ協定の締結:

事業実施期間:平成29年10月1日から平成31年3月31日まで

鳴子温泉地域

団体名:鳴子まちづくり協議会

事業名:生活安心ネットワーク事業

おおさきパートナーシップ協定の締結:平成28年8月29日

事業実施期間:平成28年9月1日から平成31年3月31日まで

モデル事業の実施状況及び検証結果

モデル事業につきましては、制度設計初期の段階から、平成28年度から平成30年度までの3年間を一定のモデル事業期間に定め、平成31年度以降のあり方について検証を行い、地域全体が元気になるような仕組みづくりを地域自治組織とともに調査・研究することにしていました。

モデル事業期間の3年間の運営状況を分析・検証し、効果や運営上の課題を明らかにすることで、実施団体が抱える課題の把握と対応策、以降の展開に向けての必要な取組みについて検討し、平成31年度からの地域自治組織戦略体制整備事業のあり方についての制度設計を行うことを検証の目的としました。

検証は、実施団体の実践から積み重ねられた知識と経験に基づく意見や提案を集約しながら、事業運営の効果と運営上の課題などについて共有するとともに、新制度設計に向けた方向性の相互理解を深めながら検証しています。

実施団体からの意見や提案の集約は、「地域支援コーディネーターとの意見交換」、「モデル事業実施団体運営者(会長、副会長などの役員)との意見交換」の2種類を行っています。

詳しくは、大崎市地域自治組織戦略体制整備モデル事業検証報告書をご確認ください。

大崎市地域自治組織戦略体制整備モデル事業検証報告書 [2760KB pdfファイル]