改めて「認知症」とは

認知症とは、脳の病気のために、記憶力や判断力、計画力などが障害されて、社会生活に支障をきたした状態のことをいいます。

認知症の原因となる病気は50種類以上あると言われていますが、その中で一番多いのが、脳がゆっくりと縮んでいくアルツハイマー病です。次に多いのが脳卒中などで脳神経細胞が傷害を受けて起きる血管性認知症です。

アルツハイマー病は、なんとなく物忘れが始まり、それがいつ頃から症状が出てきたのかはっきりしないことが多いのが特徴で、それに対して血管性認知症の場合は、脳卒中が発症して3カ月以内に物忘れなどの症状が起きてくるといわれています。

認知症の症状とは

認知症の中核となる症状は、「記憶障害:すぐ前のことを忘れる、同じことを繰り返すなどの物忘れ」、「見当識障害:時間、場所、人の顔や名前がわからなくなる」、「判断力の低下:計算力や理解力の低下、計画を立てたりすることが難しくなる」などです。

病気の種類によっては、小刻みに手が震えたり、実際には見えないものが本人には見える「幻視」のある人もいます。 

また、本人がもともと持っている性格、環境、人間関係などさまざまな要因が絡み合って、「妄想」「徘徊」「睡眠障害」「抑うつ」「暴力」など、精神症状や行動上の問題が起きる場合もあり、これを周辺症状と呼びます。

早期発見・早期対応が大切です

認知症は、治らない病気だから医療機関に行っても仕方がないという人がいます。残念ながら認知症になる病気の大半は治療が難しいのが現状です。しかし、根本的には治療が困難な病気でも、症状の改善や進行を遅らせることが可能な薬もあり、わずかですが治療が可能な病気もあります。

認知症は、頭の中で起こる見えない病気です。咳が出る時には胸のレントゲンを撮り、胃の病気を見つけるのにバリウム検査や胃カメラでの検査を行います。それと同じように、認知症の原因を調べるために脳の画像検査(MRIなど)を行う必要があります。認知症の原因によって、生活の注意点や治療・介護の方法が違ってきますが、診断が必要な理由はここにあるのです。

認知症の早期発見には,家族や地域の皆さんが「今までと様子が違う」と気付き、主治医に相談したり、専門医の診断を受けることが大変重要になってきます。以下の「認知症」早期発見のめやすを参考にしてください。

認知症早期発見のめやす もの忘れがひどい、判断力・理解力が衰える、時間・場所が分からない、人柄が変わる、不安感が強い、意欲がなくなる 出典:認知症の人と家族の会

 

認知症の人への対応

認知症になると何も分からなくなると聞くことがありますが、決してそうではありません。

認知症になると物忘れや周りの状況がよく分からなくなり、不安や混乱を起こすことはありますが、症状が進んでも、心は豊かに生きており、感情はとても敏感であるといわれています。新しいことを覚えるのは苦手でも、古い記憶や刻まれている記憶の中に、本人が落ち着き、力を引き出す手がかりがあるかもしれません。

慣れ親しんだ場所や物を大切にし、ゆっくりとした声がけ、穏やかな対応、本人ができることをさり気なく支援していくなど、周囲の人たちの認知症への理解と気遣いがあれば穏やかに暮らしていくことができます。

認知症の人を介護している皆さんへ

認知症の人を介護している家族の苦労は、心身ともに大変なものがあります。本人のケアはもちろんですが、特に介護者の心の負担を軽くすることは、とても大切なことです。認知症の介護は長期間となることがほとんどです。一人で抱え込まず、介護保険などの公的なサービスを上手に利用しましょう。

認知症高齢者の増加などを踏まえ、できる限り住み慣れた地域で生活を継続できるように、日常生活圏域内でのサービスの利用を考えた地域密着型サービスがあります。

また、特別養護老人ホームなどの大規模な施設では、家庭的な雰囲気のもと、普通の暮らしを大切にしたユニットケアに取り組む施設も増えています。

気軽に相談してください

地域全体が認知症への正しい理解や知識を持つことで,認知症の人やその家族の尊厳ある暮らしを支えることができます。困っていることや気になることは、近くの地域包括支援センターへ相談してください。

生涯学習出前講座「認知症サポーター養成講座」

要望があれば、生涯学習出前講座「認知症サポーター養成講座」も開催します。
詳しくは、生涯学習出前講座のページで確認してください。

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