別巻「平成風土記」

旧古川市内10地区の地域の皆さんが編集委員会を組織し、自らの地域を顧みて、子々孫々に語り伝えることを念頭に、地名の由来、講組織、方言、伝承などを平易に記述しています。古老からの聞き取りを中心に足で取材した、親しみやすい巻です。

目次概要

古川編/荒雄編/志田編/東大崎編/宮沢編/長岡編/富永編/敷玉編/高倉編/清滝編

第1巻「通史Ⅰ」原始~近世

古川市史「通史Ⅰ」(原始~近代)は、旧古川市域に関する原始から近世までの歴史について記述しています。

時代区分を原始編・古代編・中世編・近世編に分けて構成し、14人の執筆担当者により、できるだけ平易でわかりやすく記述し、図版・写真を多く取り入れて、読者の便に供しています。

原始編は、宮城県内でも有数の埋蔵文化財の遺跡数を誇る大崎地方の遺跡と、東北あるいは全国の遺跡との関連性を出土遺物から記述し、古川地域の位置付け・特性についても論及しています。

古代編は、陸奥国府多賀城や東北地方の城柵、官衙遺跡から中央政権による蝦夷対策・移民政策、そして出土瓦から供給地としての本地域の果たした役割について考察しています。

中世編は、古川小野に拠を構えた奥州探題大崎氏について、多くの史料からその実像に迫ります。実地調査した城館、板碑についても、調査結果を図や表で説明しています。特に別冊の「板碑補遺編」は未発表の資料であり、古川地域が中世に開発された豊かな地域であったことを物語っています。

近世編は、大崎・葛西一揆で荒廃したこの地域が、伊達の家臣の野谷地の開発や灌漑により多くの新田が開発されていき、仙台藩の買米制による米の江戸移出に大きな役割を果たしたこと、さらに宿場町の古川の市井の人々の暮らしについて生き生きと多くの史料から描写しています。

目次概要

原始編
第1章:旧石器時代/第2章:縄文時代/第3章:弥生時代/第4章:古墳時代

古代編
第1章:奈良時代/第2章:平安時代/第3章/人々のくらし

中世編
第1章:平安時代末期の古川地域/第2章:鎌倉時代/第3章:南北朝時代/第4章:室町時代/第5章:戦国時代/第6章:安土桃山時代

近世編
第1章:古川地域と藩政/第2章:村と農業/第3章:古川町/第4章:教育・文化

第2巻「通史Ⅱ」近代・現代

旧古川市域の明治維新前後の混乱期から激動の現代までの歴史を近代編と現代編に分けて構成しています。

近代編は、戊辰戦争から太平洋戦争終結まで、現代編は、戦後の復興から高度経済成長を経て大量消費社会・情報化社会が出現し、多くの課題を抱える現代までの激動期を8人の執筆担当者がわかりやすく記述しています。

巻末には、「年表」として原始から現代までを郷土のできごとを中心にまとめました。

付録には、明治初期に製作された大柿村、古川村、稲葉村の戸主名の入った区画図2枚(宮城県公文書館蔵)と明治34年の陸軍演習の際の宿泊先と主要官公署所在を記した古川町宿舎図1枚を収録し貴重な絵図面をビジュアル化して提供しています。

近代は、近代の始まりとして戊辰戦争における仙台藩家臣の戦いと帰農、税負担の軽減を求めて勃発した「宮沢一揆」、そして近代国家建設期下で幹線道路が整備され、県北地方の交通の要衝地として人口が集中していく古川の歩みを地元資料を通して紹介しています。大正時代は、米騒動から端を発し、普通選挙制度などの実現を求め、政治、文化、社会の自由主義的運動である大正デモクラシーの理論的唱導をした吉野作造などの活動、昭和前期では、未公表の地元資料の回覧板から戦時下の生活を細かく描写しています。

現代は、戦後の復興から昭和25年の市制施行、高度経済成長期に大きく変化した商工業と農業、生活様式について、さらに市街地の発展と福祉政策、保健衛生の制度変遷、生涯学習の展開、市の総合計画について、当時の資料や写真を使って詳しく記述しています。

目次概要

近代
第1章:近代の幕開け/第2章:古川町の誕生/第3章:大衆化の進展/第4章:不況と15年戦争

現代
第1章:戦後復興と民主化/第2章:高度経済成長と暮らしの変化/第3章:現代都市への脱皮/第4章:総合計画

第3巻「自然・民俗」

「古川」という地名は、江合川(荒雄川)の流れの跡に集落ができたことに由来しています。江合川と鳴瀬川の二大巨川に囲まれたこの地域は、その水の恩恵で豊かな農村風景を形成する一方で、水害などの脅威にさらされてもきました。本巻では、この地方の自然環境として、土壌、気象、生物などのほか、失われつつある方言や習俗などを、できるだけ広範囲に調査、採取し紹介しています。

目次概要

第1編「自然・災害」
第1章:古川市の自然環境/第2章:古川市の自然に生きるもの/第3章:古川市の災害

第2編「民俗」
序章
はじめに/第1章:風土/第2章:住民/第3章:住居/第4章:衣/第5章:食/第6章:生業と年中行事/第7章:人生儀礼/第8章:祭礼/第9章:伝説/第10章:信仰/第11章:歌・唄・謡曲・舞踏/第12章:方言/第13章:生活を支えた人たち―職人聞書き

第4巻「産業・交通」

明治・大正・昭和の各時代、庶民生活の身近な産業・交通の分野を取り上げ、それぞれの時代背景を検証し、それらの経緯を具体的に記載しました。

目次概要

序章
近世の産業・交通/第1章:地主の出現/第2章:近代工業の誕生/第3章:交通機関の発達/第4章:農政の転換/第5章:各種企業の進出と商業

第5巻「教育・文化」

教育・文学・芸術芸能・宗教・人物・文化財の各編に分けられています。特に文学は、最新の研究成果の上に立って記述し、辺境の地と見られてきた当地方が、古くから特色ある文学を育んできたことが解明されています。古川の教育と文化の特性を全体的に把握できるようにするとともに、古川出身の政治学者・吉野作造については、特別に章を設けて記述しています。

目次概要

第1編「教育」
第1章:学校教育/第2章:社会教育/第3章:生涯学習

第2編「文学」
第1章:古代中世の文学/第2章:近世の文学/第3章:近代の文学

第3編「芸術・芸能」
第1章:芸術活動の概略/第2章:芸術・芸能各分野の活動

第4編「宗教」
総論/第1章:神道/第2章:仏教/第3章:その他の宗教

第5編「人物」

第1章:吉野作造/第2章:古川の群像

第6編「文化財」

第1章:文化財とは/第2章:指定文化財

第6巻「資料Ⅰ考古」

旧古川市には、200か所を超える遺跡があり、その内容や量も豊富な県内有数の遺跡集中地域です。国指定史跡の名生館官衙遺跡・宮沢遺跡・大吉山瓦窯跡をはじめとして、旧石器時代から近世まで、各時代の多数の遺跡が存在しています。本書では、主に発掘調査を実施した遺跡を時代ごとに取り上げ、発見した遺構と遺物について紹介しています。さらに、未発掘の遺跡についてもできるだけ採集資料を紹介しています。

目次概要

第1章:旧石器時代/第2章:縄文時代/第3章:弥生時代/第4章:古墳時代/第5章:古代/第6章:中世/第7章:近世

第7巻「資料Ⅱ 古代・中世・近世1」

古代・中世と近世1に分けて構成されています。古川地域を中心とする大崎地方は、東北の古代史上地理的位置だけではなく、政治的にも軍事的にも常に重要な役割を担い続けてきました。その古代の陸奥国に関わる文献資料を集成し、重要史料には内容を要約した解説を付けています。

中世編年史料は、大崎地方全域にわたって鎌倉時代から安土桃山時代の史料563点を収載しました。特に奥州探題大崎氏関係の史料は、発給文書を東北一円から拾い、奥州仕置後の史料まで追跡して収録しており、他に類例のない「大崎氏史料集の決定版」です。

近世1では、藩政時代の村高を『正保郷帳』から採録しています。また、古川地域に知行地、在郷屋敷や家中屋敷を有していた仙台藩家臣の武家文書を紹介しています。中世、近世1ともに、重要な史料には解説を付けています。

目次概要

「古代・中世」
第1章:古代編年史料/第2章出土文字史料/第3章:中世編年史料

「近世1」
第1章:古川市域の村高/第2章:家別文書

第8巻「資料Ⅲ近世2」

近世編の史料として村方文書を中心に収録されています。近世のこの地方は奥州街道の宿駅として古川駅と荒谷駅が置かれ、特に古川には慶長年間から市(いち)が立ちました。また、新田開発が盛んに行われ、仙台藩領の北方の要衝の地として位置づけられました。さらに、江合川が北上川に合流するように河道が付け替えられる工事が行われてからは、米の集積地として賑わいも見せるようになりました。商家文書からは、店棚卸帳により取り扱った商品などが明らかにされています。飢饉関係では、天明・天保と幕末の凶作関連の史料を収録しています。また、風土記は、安永の「風土記御用書出」のうち『宮城県史』に掲載されていない史料を収録しています。これらの史料群から、一般庶民の生活が浮き彫りになる構成となっています。

目次概要

第1章:村政/第2章:土地関係/第3章:年貢/第4章:農民/第5章:産業/第6章:凶作/第7章:家/第8章:風土記

第9巻「資料Ⅳ近代・現代」

幕末からの度重なる災害、明治維新の混乱期を経て、周辺の町場では武士が北海道へ移住したり帰農する中、古川へも多くの人々が移住しました。また、町村制による合併で、県内でも有数の町となっていきました。野蒜築港に伴い、道路が整備され交通の要衝として、また、商業の町、食糧基地として、さらには県北の雄都として成長していく古川の足取りを、多くの史料でたどります。本巻は、第一部「行政・財政」、第2部「産業・交通」の二部構成とし、特に農業分野には多くの史料を収録しました。また巻末には、写真資料集として、明治末期から平成にかけての写真約40点を収め、当時の様子を確認できる内容となっています。

目次概要

第1部「行政・財政」
第1章:近代の幕開け/第2章:古川町と村々の誕生と変化/第3章:人々の暮らしと活動/第4章:15年戦争と町村民生活/第5章:事務報告にみる古川/第6章:戦後復興と民主化/第7章:高度成長と暮らしの変化

第2部「産業・交通」
第1章:地主の出現/第2章:戦後の農業/第3章:工業と商業/第4章:交通機関の発達/写真資料集