○大崎市民病院放射線障害予防規程
平成31年3月31日
病院管理規程第6号
大崎市民病院放射線障害予防規程(平成26年大崎市病院管理規程第6号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この規程は,放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「法」という。)第21条第1項及び放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則(昭和35年総理府令第56号。以下「規則」という。)第21条第1項の各号に規定する事項について,大崎市民病院(以下「病院」という。)における放射線発生装置,放射性同位元素及び放射性汚染物(以下「放射性同位元素等」という。)の取扱い及び管理に関する事項を定め,放射線障害を防止し,もって公共の安全を確保することを目的とする。
(令5病管規程17・一部改正)
(1) 放射線発生装置 放射性同位元素等の規制に関する法律施行令(昭和35年政令第259号)第2条第4項に規定する直線加速装置をいう。
(2) 管理区域 規則第1条第1号に定める区域をいう。
(3) 放射線作業 放射線発生装置の使用及び管理区域内での作業をいう。
(4) 使用施設 法第3条第2項に規定する使用施設をいう。
(5) 放射化物 放射線発生装置から発生した放射線により生じた放射線を放出する同位元素によって汚染されたものをいう。
(6) 業務従事者 放射線発生装置の取扱い,管理又はこれに付随する業務に従事するため,管理区域に立ち入る者で大崎市病院事業管理者(以下「管理者」という。)が承認した者をいう。
(7) 放射線測定器 規則第20条第1項第2号に規定する放射線測定器をいう。
(令6病管規程5・一部改正)
(適用範囲)
第3条 この規程は,法に係る管理区域に立ち入る全ての者に適用する。
(他の規程との関連)
第4条 放射線発生装置の取扱いに係る保安については,この規程に定めるもののほか,次に掲げる事項に基づき行うものとする。
(2) 医療安全管理指針
(3) 大崎市民病院災害対策マニュアル
(4) 医療事故公表基準
(5) 放射線治療マニュアル
(6) サーベイメーター等管理マニュアル
(令5病管規程17・一部改正)
(細則等の制定)
第5条 管理者は,法及びこの規定に定める事項の実施について,大崎市民病院放射線障害予防規程細則(以下「細則」という。)を定めるものとする。
(意見の具申の尊重)
第6条 管理者は,放射線取扱主任者が法及びこの規程に基づき行う意見の具申を尊重しなければならない。
2 管理者は,第10条に規定する放射線安全管理委員会がこの規程に基づき行う意見の具申を尊重しなければならない。
(組織)
第7条 病院における放射線発生装置の取扱いに従事する者及び安全管理に従事する者に関する組織は,別図のとおりとする。
2 職務及び担当職員は,細則で定める。
(放射線取扱主任者)
第8条 管理者は,放射線障害の防止について指導及び監督を行わせるため,法第34条第1項の規定に基づき,第1種放射線取扱主任者免状を有する者又は医師の免許を有する者若しくは歯科医師の免許を有する者のうちから放射線取扱主任者(以下「主任者」という。)を選任しなければならない。
2 主任者の職務は次のとおりとする。
(1) 放射線障害予防規程の制定及び改廃への参画
(2) 放射線障害の防止上,重要な計画作成への参画
(3) 法令に基づく申請,通知,届出,報告等の審査
(4) 立入検査等の立会い
(5) 異常及び事故の原因調査への参画
(6) 管理者等に対する意見の具申
(7) 使用状況等及び施設,帳簿,書類等の監査
(8) 放射線安全管理責任者,施設管理責任者に対する助言及び指導
(9) 関係者への助言,勧告及び指示
(10) 放射線施設に係る点検に関する管理者等への報告
(11) その他放射線障害の防止に関する必要な事項
3 管理者は,主任者に対し法第36条の2及び規則第32条第2項の規定に基づく定期講習を受講させなければならない。
(主任者の代理者)
第9条 管理者は,主任者が旅行,疾病その他の事故によりその職務を行うことができない場合は,その期間中,その職務を代行するため,法第37条第1項の規定に基づき資格を有する者のうちから主任者の代理者(以下「代理者」という。)を選任しなければならない。
2 代理者は,主任者が旅行,疾病その他の事故により不在となる期間中その職務を代行しなければならない。この場合において,代行中の代理者には,主任者と同等の職務と権限を与える。
3 代理者の職務期間が30日以上の場合は,その選任届を原子力規制委員会に,選任した日から30日以内に届け出なければならない。
(放射線安全管理委員会)
第10条 放射線障害の防止について必要な事項を審議するため,放射線安全管理委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会の審議事項及び運営等は,次のとおりとする。
(1) 放射線に関する事故の発生,放射線の異常漏えい,個人被ばく,健康診断,職員の健康管理上の問題点についての検討,処置及び対策等に関すること。
(2) 使用施設の新設,改廃又は設備の設置,各種の追加及び増加等に対する安全性に関すること。
(3) 放射線発生装置及び放射性同位元素等の使用許可に関すること。
(4) この規程に定める事項に関すること。
(5) 放射線作業における事故,故障や最新の知見等を踏まえた業務の評価,改善の検討に関すること。
(6) その他放射線障害の防止に必要な事項に関すること。
3 委員会の組織,運営等に関し必要な事項については,別に定める。
(放射線安全管理責任者)
第11条 放射線管理に関する業務を総括させるため,放射線安全管理責任者を置く。
2 放射線安全管理責任者は,各部門において放射線障害防止のための措置又は指示等を遵守するよう徹底させなければならない。
3 放射線安全管理責任者は,主任者の不在を把握し,代理者の選任が必要な場合には,管理者に報告しなければならない。
(安全管理担当者)
第12条 放射線管理業務を行わせるため,放射線管理担当部門に安全管理担当者を置く。
2 安全管理担当者は,次の業務を行う。
(1) 業務従事者の登録に関する業務
(2) 管理区域に立ち入る者の入退域,放射線による被ばくの管理
(3) 放射線施設,管理区域に係る放射線の量
(4) 放射線測定器の保守管理
(5) 放射線作業の安全に係る技術的事項に関する業務
(6) 業務従事者等に対する教育及び訓練
(7) 巡視及び点検並びに放射線施設に係る点検に関する業務
(8) 前各号に関する記帳,記録の管理及びその保管
(9) 関係法令に基づく申請,通知等の手続その他関係省庁との連絡事項等に関する業務
(管理区域担当者)
第13条 管理区域には,管理区域担当者を置く。
2 管理区域担当者は,管理区域において次の業務を行う。
(1) 放射線障害の防止のために必要な措置
(2) 管理区域に立ち入る者に対する第20条に規定する事項の遵守徹底
(3) 巡視及び点検並びに自主点検に関する業務
(取扱責任者)
第14条 管理区域担当者は,放射線作業ごとに取扱責任者を定めなければならない。
2 取扱責任者は,業務従事者に対し,放射線発生装置の取扱い,放射化物の取扱い及び管理区域内での作業について適切な指示を与えるとともに,使用に関する記録を行い主任者に報告しなければならない。
(業務従事者)
第15条 病院内においては放射線発生装置の取扱い等業務に従事する者を,業務従事者として登録しなければならない。
2 業務従事者は,従事しようとする者の申請に基づき,放射線安全管理責任者及び主任者の同意を得て安全管理担当者が登録する。
(施設管理責任者)
第16条 放射線施設の維持及び管理を総括させるため,施設管理責任者を置く。
(施設管理担当者)
第17条 放射線施設の維持及び管理の業務を行わせるため,施設管理担当者を置く。
2 施設管理担当者は,各放射線施設等について次の業務を行う。
(1) 電気設備の運転及び維持管理に関する業務
(2) 給排気設備及び給排水設備の運転並びに維持管理に関する業務
(3) 第23条に規定する自主点検に関する修理等の必要な措置の調整
(健康管理医)
第18条 健康管理医は,第34条に規定する健康診断に関する業務を総括する。
2 健康管理医は,産業医をもって充てる。
(管理区域への立入り等)
第19条 管理区域担当者は,次に掲げる者以外の者を担当する管理区域に立ち入らせてはならない。
(1) 業務従事者として第15条に基づき登録された者
(2) 診療を受ける患者
(3) 放射線発生装置の修理又は点検,見学等のため一時的に立ち入る者として安全管理担当者が認めた者(以下「一時立入者」という。)
(令5病管規程17・一部改正)
(管理区域に関する遵守事項)
第20条 管理区域に立ち入る者は,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 定められた出入口から出入りすること。
(2) 一時立入者が管理区域内に立ち入る場合は,業務従事者が同伴し,所定の用紙に必要事項を記入するとともに,業務従事者は退出の際に管理区域内に人が居ないことを確認すること。
(3) 個人線量計を指定された位置に着用すること。
(4) 管理区域内において飲食及び喫煙を行わないこと。
(5) 業務従事者は,主任者が放射線障害を防止するために行う指示,その他放射線施設の保安を確保するための指示に従うこと。
(6) 一時立入者は,主任者及び業務従事者が放射線障害を防止するために行う指示,その他放射線施設の保安を確保するための指示に従うこと。
2 放射線安全管理責任者は,管理区域の入口の目に付きやすい場所に取扱いに係る注意事項を掲示し,管理区域に立ち入る者に遵守させなければならない。
3 業務従事者は,一時立入者が放射線発生装置の修理又は点検のために放射線作業を行う場合には,作業に立ち会い安全性の確認を行うこと。
(令5病管規程17・令6病管規程5・一部改正)
(日常点検)
第21条 業務従事者は,始業時等に放射線施設の日常点検を行わなければならない。
2 日常点検の内容は,細則で定める。
3 日常点検の責任者は,放射線安全管理責任者とする。
4 業務従事者は,日常点検の結果,異常を認めたときは,修理等必要な措置を講じるとともに,放射線安全管理責任者,施設管理責任者及び主任者に報告しなければならない。
(放射線施設等の地震等災害時における措置)
第22条 安全管理担当者,管理区域担当者,取扱責任者及び施設管理担当者は,放射線施設等の保安に重大な影響を及ぼすおそれのある地震,火災等の災害が発生したときは,速やかに所管する放射線施設等を点検しなければならない。
2 点検の内容は,次条に規定する事項とする。
3 点検の責任者は,放射線安全管理責任者とする。
4 安全管理担当者,管理区域担当者,取扱責任者及び施設管理担当者は,第1項の点検の結果,異常を認めたときは,修理等必要な措置を講じるとともに,放射線安全管理責任者,施設管理責任者,主任者及び管理者に報告しなければならない。
(自主点検)
第23条 安全管理担当者,管理区域担当者,取扱責任者及び施設管理担当者は,別表第1に掲げる項目について,6月を超えない期間ごとに年2回以上,放射線施設等に係る点検(以下「自主点検」という。)を行わなければならない。
2 自主点検の内容は,細則で定める。
3 安全管理担当者,管理区域担当者,取扱責任者及び施設管理担当者は,自主点検の結果,異常を認めたときは,その状況及び原因を調査し,修理等必要な措置を講じ,その結果を相互に報告するとともに,放射線安全管理責任者,施設管理責任者及び主任者に報告しなければならない。
4 放射線安全管理責任者及び主任者は,前項の調査の結果,その異常が放射線施設等に係る保安に重大な影響があると認めるときは,直ちに管理者に報告しなければならない。
(修理及び改造)
第24条 放射線安全管理責任者及び施設管理責任者は,所管する設備,機器等について,修理,改造等を行うときは,放射線安全管理委員会で協議の上,その実施計画を作成し,管理者の承認を受けなければならない。ただし,保安上特に影響が軽微と認められるものについては,この限りでない。
2 管理者は,前項の承認を行おうとする場合において,必要があると認めるときは,その安全性,安全対策等につき放射線安全管理委員会に諮問するものとする。
3 放射線安全管理責任者及び施設管理責任者は,第1項の修理,改造等を終えたときは,その結果について管理者に報告しなければならない。
(放射線発生装置の使用)
第25条 放射線発生装置を使用する者は,放射線安全管理責任者の管理の下に,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 使用前にインターロック等が正常に作動することを確認するとともに,立入りを禁止している区域に人がいないことを確認すること。
(2) 使用中は,運転中であることを自動的に明示すること。
(3) 遮へい壁その他遮へい物により遮へいを行うこと。
(4) 照射直後の不必要な放射線からの被ばくを低減するための適切な防護措置を講ずること。
(5) 放射性汚染物で,その表面の放射性同位元素の密度が原子力規制委員会で定める密度(表面密度限度の10分の1)を超えているものは,みだりに管理区域から持ち出さないこと。
2 放射線発生装置の使用方法は,細則で規定された方法を遵守すること。
(密封された放射性同位元素の使用)
第26条 密封された放射性同位元素(以下「密封放射性同位元素」という。)を使用する者は,次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 使用に際し,密封状態が正常であることを確認すること。
(2) 遮へい物を用い,適切な遮へいを行うこと。
(3) できる限り器具を使用して取り扱うこと。この場合において,密封放射性同位元素の被覆材に損傷を与えないよう,その取扱いに十分注意すること。
(4) 密封放射性同位元素の被覆材が損傷し,又はそのおそれのあるときは,直ちに使用を中止し,放射線安全管理者に連絡し,その指示に従うこと。
(5) 放射線遮へい扉,遮へい物等が故障し,又は損壊し,被ばくの危険が生じたときは,直ちに使用を中止し,放射線安全管理者に連絡し,その指示に従うこと。
(6) 機器未装備の密封放射性同位元素を使用したときは,使用後直ちにその線源の個数,漏えい等異常の有無を確認すること。
(受入れ)
第27条 放射性同位元素の購入又は譲受けを行う者は,あらかじめ,主任者の承認を受けなければならない。
(保管)
第28条 放射性同位元素の保管は,次に掲げる事項に従って行わなければならない。
(1) 使用中の放射性同位元素以外の放射性同位元素は,全て定められた貯蔵室又は耐火性の貯蔵箱において保管すること。
(2) 密封放射性同位元素であって機器に装備されているものは,装備した状態で保管すること。
(3) 放射性同位元素の保管数量又は保管個数を定期的に確認し,貯蔵室又は貯蔵箱に定められた貯蔵能力を超えないように管理すること。
(4) 貯蔵容器は,放射性同位元素の保管中にみだりに持ち運ぶことができないようにするための措置を講じること。
(5) 放射線発生装置から発生する放射化物については,管理区域内に保管廃棄設備を設置し,対象部品を保管廃棄すること。また,放射化物の取扱いに関しては,細則に規定された方法を遵守すること。
(廃棄)
第29条 放射性同位元素等の廃棄は,法第4条の2第1項の許可を受けた者(以下「許可廃棄業者」という。)に引き渡すことによりこれを行うものとする。
2 放射線発生装置から発生する放射化物については,更新及び廃止に関して許可廃棄業者及び放射線治療装置納入業者と調整を行い,速やかに廃棄すること。
3 定期交換又は故障に関して,少量の放射化物については第28条第5号に規定する保管廃棄設備に廃棄した後,定期便を使用し許可廃棄業者に引き渡すこと。
4 廃棄のための運搬は,許可廃棄業者の委託業者とする。
(放射線測定器の点検及び校正)
第30条 放射線安全管理責任者は,安全管理に係る放射線測定器について,点検及び校正を1年ごとに適切に組み合わせて行い,測定の信頼性を確保するための措置を講じなければならない。
2 前項の測定の信頼性を確保するための措置を講じた記録は,当該措置を講じた日から5年間保存しなければならない。
(令5病管規程17・令6病管規程5・一部改正)
(場所の測定)
第31条 放射線安全管理責任者は,法第20条第1項の規定により放射線障害のおそれのある場所について,放射線の量の測定を行い,その結果を評価し,記録しなければならない。
2 放射線の量の測定は,原則として1センチメートル線量当量率又は1センチメートル線量当量について放射線測定器を使用して行わなければならない。
3 放射線発生施設を使用する施設の測定は,次に掲げる事項に従い行わなければならない。
(1) 放射線の量の測定は,放射線施設,管理区域の境界及び病院の境界の特定の位置について行うこと。
(2) 取扱開始前に1回,取扱開始後にあっては,6月を超えない期間ごとに1回行うこと。
4 保管廃棄設備の測定は,次の各号に従い行わなければならない。
(1) 放射線の量の測定は,放射化物収納容器及び保管廃棄設備の境界の特定の位置について行うこと。
(2) 6月を超えない期間ごとに1回行うこと。
5 測定結果の記録は,施錠のできる放射線治療操作室内の棚に保存しなければならない。
6 放射線安全管理責任者は,次の各号に掲げる項目についての記録を5年間保存しなければならない。
(1) 測定日時
(2) 測定箇所
(3) 測定した者の氏名
(4) 放射線測定器の種類及び型式
(5) 測定方法
(6) 測定結果
(7) 測定に用いた放射線測定器ごとに行う点検及び校正の内容が記された証明書の写し
(令6病管規程5・一部改正)
(放射線被ばくの線量の測定)
第32条 安全管理担当者は,法第20条第2項の規定により,管理区域に立ち入る者に対し,適切な放射線測定器を用いて,次に定めるところにより個人被ばく線量を測定しなければならない。ただし,放射線測定器を用いて測定することが著しく困難な場合は,計算によってこれらの値を算出するものとする。
(1) 放射線の量の測定は,外部被ばくによる線量当量及び等価線量について行うこと。
(2) 測定は,胸部(女子(妊娠不能と診断された者及び妊娠の意思のない旨を管理者に書面で申し出た者を除く。ただし,合理的な理由があるときは,この限りでない。)にあっては,腹部)について1センチメートル線量当量及び70マイクロメートル線量当量(中性子線については1センチメートル線量当量)を測定すること。
(4) 人体部位のうち外部被ばくによる線量が,最大となるおそれのある部位が頭部,けい部,胸部,上腕部,腹部及び大たい部以外である場合にあっては,当該部位について,70マイクロメートル線量当量を測定すること。ただし,中性子線については,この限りでない。
(5) 眼の水晶体の等価線量を算定するための線量の測定は,前3号の測定のほか,眼の近傍その他の適切な部位について3ミリメートル線量当量を測定することにより行うことができる。
(6) 管理区域に立ち入る者について,管理区域に立ち入っている間継続して行うこと。ただし,一時立入者で,その者の管理区域内における外部被ばくによる線量が100マイクロシーベルトを超えるおそれのないときは,この限りでない。
2 前項の測定の結果については,4月1日,7月1日,10月1日及び1月1日を始期とする各3月間(本人の申出等により管理者が妊娠の事実を知ることとなった女子にあっては,出産までの間毎月1日を始期とする1月間)について,当該期間ごとに算定し,次に掲げる項目について記録しなければならない。
(1) 算定年月日
(2) 対象者の氏名
(3) 算定した者の氏名(算定をした者の氏名を記録しなくても算定の適切な実施を確保できる場合にあっては,名称)
(4) 算定対象期間
(5) 実効線量
(6) 等価線量及び組織名
(7) 測定の信頼性を確保するための措置を行った証明
3 前項の実効線量及び等価線量の算定の結果,4月を始期とする1年間についての実効線量及び眼の水晶体の等価線量が20ミリシーベルトを超えた場合は,当該1年間を含む4月1日以後,5年ごとに区分した期間の累積実効線量を,当該期間について毎年集計し,その都度,次に掲げる項目について記録しなければならない。
(1) 集計年月日
(2) 対象者の氏名
(3) 集計した者の氏名(集計をした者の氏名を記録しなくても集計の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
(4) 集計対象期間
(5) 累積実効線量
(6) 測定の信頼性を確保するための措置を行った証明
4 放射線安全管理責任者は,当該測定対象者に対し,記録の写しを交付するものとする。
6 安全管理担当者は,第1項の測定結果に基づき,放射線施設における1年間の業務従事者名簿を作成し,放射線安全管理責任者に報告しなければならない。
(令5病管規程17・令6病管規程5・一部改正)
(教育及び訓練)
第33条 安全管理担当者は,業務従事者等に対し,この規程の周知徹底を図るほか,放射線障害を防止するために必要な教育及び訓練(以下「教育及び訓練」という。)を実施しなければならない。
2 教育及び訓練は,次に定めるところによる。
(1) 実施の時期
ア 業務従事者として初めて管理区域に立ち入る前及び取扱い等業務に従事する前
イ 管理区域に立ち入った後及び取扱い等業務の開始後にあっては,前回の教育及び訓練を行った日に属する年度の翌年度の開始の日から1年を超えない期間ごと
(2) 教育及び訓練の時間数 別表第2に掲げる時間数
4 前項の規定にかかわらず,法令改正,この規程の変更及び装置の更新等があった場合は,その項目の教育及び訓練を省略することはできないものとし,省略できない例については,細則で定める。
5 安全管理担当者は,管理区域に一時的に立ち入る者を一時立入者として承認を行う場合は,当該一時立入者に対し,放射線障害の発生を防止するために必要な注意事項について教育及び訓練を行わなければならないものとし,教育及び訓練の内容は,細則で定める。
6 安全管理担当者は,放射線発生装置の修理又は点検のため放射線作業を行う一時立入者に対し,この規程の周知徹底を図るほか,教育及び訓練を実施しなければならない。
7 安全管理担当者は,第41条第2項で規定された業務改善の指導を受けた場合,改善内容の教育及び訓練を行い,主任者及び放射線安全管理責任者に報告しなければならない。
8 安全管理担当者は,教育及び訓練を実施したときは,その都度実施結果の記録及び第3項による省略事項及び省略理由を記録するとともに,主任者及び放射線安全管理責任者に報告しなければならない。
(令6病管規程5・一部改正)
(健康診断)
第34条 健康管理医は,業務従事者に対し,次に定めるところにより健康診断を実施しなければならない。
(1) 実施時期
ア 業務従事者として初めて管理区域に立ち入る前
イ 管理区域に立ち入った後にあっては,1年を超えない期間ごと
(2) 健康診断(問診及び検査又は検診によるもの)
(3) 問診は,放射線の被ばく歴,被ばく状況について行うこと。
ア 末しょう血液中の血色素量又はヘマトクリット値,赤血球数,白血球数及び白血球百分率
イ 皮膚
ウ 眼
2 健康管理医は,前項の規定にかかわらず,業務従事者が実効線量限度又は等価線量限度を超えて放射線に被ばくし,又は被ばくしたおそれのあるときは,遅滞なくその者につき健康診断を行わなければならない。
3 健康管理医は,次に掲げる項目について健康診断の結果を記録しなければならない。
(1) 実施年月日
(2) 対象者の氏名
(3) 健康診断を実施した医師名
(4) 健康診断の結果
(5) 健康診断の結果に基づいて講じた措置
4 健康管理医は,健康診断を受けた者に対し,前項の記録の写しを交付するものとする。
5 健康管理医は,第3項の記録を保存しなければならない。ただし,健康診断を受けた者が業務従業者でなくなったとき,又は当該記録を5年間保存した後において原子力規制委員会が指定する機関に引き渡すときは,この限りでない。
(放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者に対する措置)
第35条 放射線安全管理責任者は,業務従事者が放射線障害を受け,又は受けたおそれのあるときは,主任者及び医師,健康管理医と協議し,その程度に応じ,管理区域への立入時間の短縮,立入りの禁止,配置転換等健康の保持等に必要な措置を管理者に具申しなければならない。
2 管理者は,前項の具申があった場合は,適切な措置を講じなければならない。
3 放射線安全管理責任者は,業務従事者以外の者が放射線障害を受けた,又は受けたおそれのある場合には,主任者及び医師,健康管理医と協議し,その程度に応じ必要な保健指導等,適切な措置を講じなければならない。
(記帳)
第36条 放射線安全管理責任者は,放射線発生装置の使用,放射性同位元素等の受入れ,払出し,保管,運搬,廃棄,使用並びに自主点検,教育及び訓練に係る記録,放射線測定器の点検又は校正に係る記録及び測定の信頼性を確保するための措置の内容の記録を行う帳簿を備え記帳させなければならない。
(1) 放射線同位元素の受入れに関すること。
ア 放射性同位元素の種類,数量
イ 受入れの年月日,受入れ元
(2) 放射性同位元素等の運搬に関すること。
ア 病院の外における放射性同位元素等の運搬の年月日,運搬の方法
イ 荷受人又は荷発送人及び運搬を委託された者の氏名又は名称並びに運搬に従事する者の氏名
(3) 放射性同位元素等の廃棄に関すること。
ア 放射性同位元素等の種類,数量,廃棄の年月日
イ 方法,場所及び廃棄に従事する者の氏名
(4) 放射性同位元素の払出しに関すること。
ア 放射性同位元素の種類,数量
イ 払出しの年月日,払出し先
(5) 放射線発生装置の使用に関すること。
ア 放射線発生装置の種類
イ 放射線発生装置の使用の年月日,目的,方法及び場所
ウ 放射線発生装置の使用に従事する者の名前
(6) 放射化物の廃棄に関すること。
ア 放射性同位元素等の種類,数量,廃棄の年月日
イ 方法,場所及び廃棄に従事する者の氏名
(7) 自主点検に関すること。
ア 点検の実施年月日
イ 点検の実施結果及び講じた措置
ウ 点検の実施者の名前
(8) 教育及び訓練に関すること。
ア 教育及び訓練の実施年月日及び項目
イ 教育及び訓練を受けた者の氏名
(9) 放射線測定器の点検又は校正に関すること。
ア 点検又は校正の年月日
イ 測定に用いた放射線測定器の種類及び型式並びに点検又は校正の方法,結果及びこれに伴う措置の内容
ウ 点検又は校正を行った者の氏名(点検又は校正を行った者の氏名を記録しなくても点検又は校正の適正な実施を確保できる場合にあっては,名称)
3 第1項に規定する帳簿は,1年ごとに閉鎖し,各年3月31日又は当該放射線施設の廃止を行う場合は廃止日等に帳簿を閉鎖し,放射線安全管理責任者がその後5年間保存しなければならない。
(令5病管規程17・令6病管規程5・一部改正)
(災害時の措置)
第37条 使用施設に関し,地震,火災,風水害等の災害が発生した場合において,あらかじめ指名された者は,遮へい及び密閉に関わる施設,設備について点検を行い,放射線障害の発生の有無にかかわらず,その結果を,安全管理担当者,管理区域担当者,主任者及び放射線安全管理責任者を経由し,管理者に報告しなければならない。
(地震等の災害時における措置)
第38条 火災,地震,風水害等が発生した場合の初動の対応については,大崎市民病院災害対策マニュアルに従い対応するものとする。
2 火災,地震,風水害等が発生した場合の被害状況の確認と連絡体制の詳細については,細則及び大崎市民病院災害対策マニュアルに従い対応するものとする。
3 病院所在地内で震度5強以上の地震が発生したときは,あらかじめ指名された者が,遮へい及び密閉に関わる施設,設備について点検を行い,その結果を安全管理担当者,管理区域担当者,主任者及び放射線安全管理責任者を経由し,管理者に報告しなければならないものとし,点検の項目に関しては,細則で定める。
(危険時の措置)
第39条 使用施設に関し,火災,地震,風水害等が発生したことにより,放射線障害が発生し,又はそのおそれがあることを発見した者は,直ちに災害の拡大防止,通報及び避難警告等応急の措置を講じ,安全管理担当者を経由して主任者及び放射線安全管理責任者に報告しなければならないものとし,その対応は,大崎市民病院災害対策マニュアルに従うものとする。
2 放射線発生装置又は放射性同位元素の使用により,放射線障害が発生した場合又はそのおそれがある場合におけるその発見者は,直ちに医師,主任者,安全管理担当者及び放射線安全管理責任者に報告し,応急の措置を講じなければならない。
3 前項の場合において放射線部長及び放射線安全管理責任者は,臨時に放射線安全管理委員会を開催し,その内容を医療事故報告体制に従い,医療安全管理部長及び医療安全管理室に報告しなければならない。
5 第2項の場合において,管理者は,速やかに病院の所在地を管轄する保健所,警察署及び消防署(以下「関係機関」という。)に通報するとともに,遅滞なく原子力規制委員会に届け出なければならない。
(異常時の報告)
第40条 次の各号に掲げる事態(以下この条において「異常事態」という。)の発生を発見した者は,医師,安全管理担当者及び主任者を経由して,放射線安全管理責任者が管理者に通報しなければならない。
(1) 放射線施設の線量が規則第14条の7第1項第3号の線量限度を超え,又はそのおそれがあるとき。
(2) 業務従事者について,実効線量限度及び等価線量限度を超え,又はそのおそれのある被ばくがあったとき。
(3) 表示付認証機器について盗取,所在不明その他の事故が生じたとき。
2 前項の場合において放射線部長及び放射線安全管理責任者は,臨時に放射線安全管理委員会を開催し,その内容を医療事故報告体制に従い,医療安全管理部長及び医療安全管理室に報告しなければならない。
3 管理者は,第1項の通報を受けたとき,又は異常事態の発生を知ったときは,その旨を直ちに関係機関に通報しなければならないものとし,関係機関への連絡方法及び連絡先については,細則で定める。
4 異常事態が発生した場合は,医療事故公表基準に従い,外部に情報提供及び外部からの問い合わせに対応する。
5 管理者は,異常事態が発生した場合は,規則第28条第3項に定める放射線同位元素等取扱施設における状況通報書にて,その旨を直ちに報告し,また,その原因の調査をし,その状況及びそれに対しとった措置を10日以内にそれぞれ原子力規制委員会に報告しなければならない。
(放射線障害防止に関する業務改善)
第41条 主任者及び安全管理担当者は,放射線に関する事故,故障に関する最新の情報を放射線安全管理委員会に提出しなければならない。
2 放射線安全管理委員会は,第39条の報告又は故障や最新の知見を踏まえて放射線障害の防止に関する業務評価を行い,業務改善の検討と指導を行わなければならない。
3 放射線安全管理責任者は,前項の業務改善の検討結果を受けて業務の見直しを行い,放射線安全管理委員会に報告しなければならない。
4 安全管理担当者は,業務改善の記録を残し,施錠のできる放射線治療操作室内の棚に保存しなければならない。
(廃止措置)
第43条 管理者は,放射性同位元素の使用を廃止し,又は使用の許可を取り消されたときは,法第28条第1項の規定により措置を講じなければならない。この場合において,放射化物については,放射性同位元素によって汚染されたものと同様の措置を講じなければならない。
(令6病管規程5・一部改正)
(その他放射線障害の防止に関し必要な事項)
第44条 この規程の改正を行う場合には,放射線安全管理委員会で承認を得なければならない。
附則
この管理規程は,平成31年4月1日から施行する。
附則(令和5年9月22日病院管理規程第17号)
この管理規程は,令和5年10月1日から施行する。
附則(令和6年3月31日病院管理規程第5号)
この管理規程は,令和6年4月1日から施行する。
別図(第7条関係)
別表第1(第23条関係)
区分 | 点検項目 |
施設の位置 | 1 位置 2 地崩れのおそれ 3 浸水のおそれ 4 周囲の状況 |
主要構造部 | 1 構造及び材料 |
遮へい | 1 構造及び材料 2 遮へい物の状況 3 線量当量 |
管理区域 | 1 区画及び閉鎖設備 2 床,壁等の構造及び表面 3 線量当量 4 標識 |
放射線発生装置使用室 | 1 設置位置 2 床,壁等の構造及び表面 3 インターロック 4 自動表示装置 5 線量当量 6 安全装置 7 放射線測定器 8 標識 |
別表第2(第33条関係)
項目 | 教育区分 | 時間数 (OJTを含む) | 合計 |
放射線の人体に与える影響 | 30分以上 | 30分以上 | |
放射性同位元素等又は放射線発生装置の安全取扱い | リニアック取扱い,放射化物取扱い | 60分以上 | 60分以上 |
放射性同位元素等及び放射線発生装置による放射線障害の防止に関する法令 | 漏えい線量測定,被ばく線量測定,健康診断,教育訓練 | 30分以上 | 30分以上 |
放射線障害予防規程 | 大崎市民病院放射線障害予防規程 | 30分以上 | 30分以上 |
備考 OJT(On-the Job Training)とは,現場での説明による教育訓練をいい,OJTを受けるため管理区域に入る者は,一時立入者扱いとする。