意見書(平成23年)

更新日:2021年09月22日

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民生委員法の一部改正による正当な活動の対価に関する意見書

 民生委員制度は、大正6年(1917年)に岡山県知事が県民の悲惨な生活状態を憂い、篤志家の中からさらに厳しい基準で人選したものを済世顧問として任じ、貧困者の相談相手や物質上の援助を行わせたことを制度の源にしていると言われていますが、爾来100年を超えた今も社会の奉仕者という認識のもと、その処遇だけは変わっておりません。いわゆる社会に対する無報酬の献身的な奉仕者であります。
 一方、民生委員を取り巻く環境は、地域のつながりも希薄になっている現代の社会的な環境の中で、その負担は重く、年々厳しさを増しております。そのため、近年では本市においてもいわゆる「なり手」を見つけることに困難を来している状況であります。
 民生委員は隣人愛をもって社会福祉の増進に邁進しておりますが、これらの献身的な労苦に対し、いつまでも無報酬の状態に置いておくものではないと思うのであります。
 つきましては、時代の流れを御認識賜り、民生委員の活動の対価が手当てされるよう、民生委員法の一部改正を強く要望するものであります。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成23年3月3日

宮城県大崎市議会議長 三神祐司

内閣総理大臣、厚生労働大臣、衆議院議長、参議院議長 あて

東日本大震災の被災者生活再建・経済再建と地域復興のための緊急対策を求める意見書

 本年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9.0と我が国観測史上最大の巨大地震となり、それに伴って発生した大津波及び福島第一原発の事故により、東北地方から関東地方まで広域に及ぶ多大な被害は我が国歴史上未曾有の規模となりました。この大震災による被災は決して沿岸部だけではなく、宮城県内陸部に位置する大崎市においても市全域にわたり過去に例のない甚大な被害実態が確認され、道路、橋梁、各種施設などの生活産業基盤の損失や家屋を初めとした住民の財産や雇用の喪失など、その被害は未曾有のものとなっています。
 我々内陸部の議会として、みずからの被災復旧復興に全力で対応するとともに、沿岸部自治体住民の支援活動をなお一層強める決意でありますが、被災者の生活再建、地域経済の再建、復興には、国の総力を挙げた取り組み、中でも政府の思い切った決断による的確な施策が必要です。
 よって、国においては、次の事項について被災地の状況を十分に配慮し、関係法令の整備も含め、迅速かつ適切な対策を講じられるよう強く求めるものであります。

1 被災者に対する支援の強化を求める。
 行方不明者の捜索に全力を挙げるとともに,避難住民に対する支援を強化するため,次の措置を講じること。
 (1)津波被害を受けた被災地には、いまだにまともに食事がとれず、入浴もできない在宅避難者などがいるが、実態を機敏かつ正確に把握し、国として的確な生活支援を行うこと。
 (2)福祉避難所開設期間の延長を講じること。
 (3)被災した社会福祉施設から他の社会福祉施設などに避難している障がい者や高齢者に対する支援及び施設受け入れ基準の緩和措置を講じること。
 (4)避難者の受け入れを実施しているホテル、旅館などが経営難に陥らないよう宿泊経費を増額すること。
2 災害復旧復興対策のための特別法の制定などを求める。
 激甚災害の指定に沿った総合的な対策や「特別基準」に基づく弾力的救助対策及び財政支援を迅速に行うとともに、被災者の支援や被災者の生活再建、被災産業の経営再建、社会産業全般にわたる基盤整備、また被災自治体に対する財政支援などについて
 総合的かつ包括的な特別法を制定し,被災地の復旧復興を迅速かつ集中的に行うこと。
3 生活産業基盤の早期復旧復興を図るため、次の措置を求める。
 (1)道路、河川、公園など、都市機能や市民生活の基盤となる公共土木施設の復旧について,既存の法的枠組みにとらわれない柔軟かつ十分な財政措置を講じること。
 また、社会資本整備総合交付金事業の交付期間延長の措置を講じること。
 (2)江合川、鳴瀬川、吉田川など、国・県管理の河川堤防に発生した亀裂,陥没などは,これから多雨季節を迎え、大雨による2次被害が危惧されることから、早期復旧措置を講じること。
 (3)大崎市鹿島台の湛水地域において、排水機場の地盤沈下により使用不能な状況にあるので、早急に復旧措置を講じること。
 (4)文教施設については、罹災による分散授業に伴う経費や仮設校舎、新校舎建設に対する十分な支援を行うとともに、公立病院など医療施設、社会福祉施設などの被害復旧支援は、現行の法制度にとらわれることなく,また設置主体のいかんを問わず,
 補助率を早急に引き上げるなど特例措置を講じ、十分な財政措置を講じること。
 (5)水道施設(浄配水施設や配水管など)の復旧経費に対する特別立法による特段の支援措置を講じること。
4 被災者などへの生活再建などに対する支援強化を求める。
 被災者の生活支援、農林水産業や中小企業などの経営再建支援のため、次の措置を講じること。
 (1)被災者が早期に生活再建できるよう生活再建支援金の大幅増額、及び一部損壊と判定された被災者にも支援金を交付するなど、対象範囲を拡大すること。
 (2)雇用対策への十分な支援を図るとともに、国による全面的な財政措置を講じること。
 (3)農林水産業の一刻も早い経営再建のため、農地、農業用施設の復旧費用の全額国庫負担や個人所有の農業施設の被害に対する復旧費用の補助金措置及び「査定前着工」の柔軟な対応など、特例措置を講じること。
 (4)震災により流通が途絶え、著しい減収をこうむった農林水産業などへの財政支援や非住宅(工場、店舗、倉庫、作業場など)に対しても災害救助法、被災者生活再建支援制度の対象に加え、新たな補助制度の創設や既存の法制度などにとらわれない思い切った財政支援や金融上の特例措置を講じること。
5 災害廃棄物の処理に対する支援強化を求める。
 (1)震災により大量の家屋廃材が発生しており、その処分に長期間を要することから、国庫補助対象期間の延長措置を講じること。
 (2)震災廃棄物を迅速かつ適切に処理できるよう、災害など廃棄物事業費補助金について沿岸、内陸ともに全面的な支援措置を講じること。
 (3)全壊など家屋被害をこうむり、解体しなければならない被災者に経済力がないため自治体が解体した場合の費用は、国において措置すること。
6 福島第一原発の原子力災害などに対する国の責任ある対応を求める。
 (1)国の責任のもと、一刻も早い事態の収束に全力を尽くすこと。
 (2)原発事故により放出された放射性物質の測定情報及びその及ぼす影響について,迅速かつ正確にわかりやすい情報提供を行うとともに、その周知徹底を図ること。
 (3)出荷停止や自粛、風評被害に対する各産業への被害に対して、今後の生産活動などに支障を来さないよう、十分な補償と支援を行うこと。
 (4)地震発生後休止中の原子力発電所は休止状況を継続し、今あるすべての原子力発電所の総点検を行い、再発を確実に防止する措置を講じること。
7 財政確保と被災自治体に対する特例措置を求める。
 (1)被災者生活再建支援と復旧復興に係る財源は、現予算の抜本的組み替え補正などで確保し、地方交付税を大幅に加算すること。また、災害被害にかかわる平成23年度特別交付税については、概算での前倒し措置を速やかに講じること。
 (2)被災自治体が行う国庫補助・負担金など交付事務や、被災者が生活再建のために行う支援制度などの各種手続については、申請手続の簡素化や申請時期の延長など、弾力的な運用措置を講じること。
 (3)被災した合併自治体においては、甚大な被害に対する復旧復興事業が最優先となり、新市建設計画などの実施が大幅におくれることから、合併特例債適用期間の延長などの措置を講じること。
 (4)被災自治体では災害対策に多額の支出が見込まれることから、幼稚園就園奨励費など自治体負担率の大きい事業について国庫補助金の増額措置を講じること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成23年5月2日

宮城県大崎市議会議長 三神祐司

内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、環境大臣、衆議院議長、参議院議長 あて

東日本大震災被災住家などの解体・処理費用の全額補助及び補修助成制度創設を求める意見書

 東日本大震災からの復旧復興のためには、何よりも被災者の住まいと生業の再建が土台となります。
 そうした位置づけから、東北地方の疲弊した経済事情及び高齢化の進展で、自力では被災住家などを解体・処理または補修できないでいる現実にかんがみ、市町村の行う解体・処理事業については全額国庫補助の対象とし、補修についても公費補助制度を創設するよう要望します。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成23年7月1日

宮城県大崎市議会議長 三神祐司

内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、環境大臣、衆議院議長、参議院議長 あて

福島第一原子力発電所事故の一刻も早い収束などを求める意見書

 去る3月11日に発生した国内最大のマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震とこれに伴う巨大津波は、東北地方を中心に数多くのとうとい命を奪い、沿岸地方に壊滅的な被害をもたらした。
 加えて、東京電力株式会社福島第一原子力発電所では、原子炉及び使用済み核燃料プールの冷却機能が喪失され、大量の放射性物質が放出されるという事態に陥り、我が国で初めて原子力災害対策特別措置法に基づく「原子力緊急事態宣言」が発令された。
 この事故は、暫定評価ながら原発事故の深刻度を示す「国際原子力事象評価尺度(INES)」の上では最悪の「レベル7」に位置づけられ、発災より3カ月を経過した現在においても原発周辺では、警戒区域、計画的避難区域及び緊急時避難準備区域が設定され、多くの住民が避難生活を余儀なくされているほか、水産物及び農産物の汚染並びに観光業などへの風評被害も深刻化している。
 とりわけ、今回の事故が示したものは、一たび原発事故が起きれば、隣接県を越えた広範囲に放射性物質が飛散し、その脅威が広範囲に及ぶということであり、これまでの原発の安全神話が虚構に基づくもので、日本国中どこでも潜在的な放射能の危険にさらされているという事実である。ここに、国民の原子力に対する不安と不信はきわまっている。
 しかしながら、原子力を除いた場合のエネルギー自給率が極めて低いという我が国の現在のエネルギー事情から、原子力からの即時撤退は現実的には困難であり、原子力関連施設の早急なる安全対策の見直しと再構築を行い、国民の不安と不信の払拭に努めることは国の責務である。
 よって、国は東京電力と連携し、福島第一原子力発電所事故の一刻も早い収束に取り組み、原発の安全性の回復及び国の原子力政策に対する国民の不信を解消するため、次の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。

1 福島第一原子力発電所事故の現状及び今後想定されるあらゆる事態並びに各地の放射能汚染レベルの情報、被曝による長期的なリスクと低線量被曝のリスクに関する情報及び被曝防護に関する情報を正確かつ迅速に国民に提供し、必要な範囲の住民を速やかかつ確実に避難させるなど、周辺住民及び国民の安全確保に万全を尽くすこと。
2 事故により避難している住民及び緊急時避難準備区域に指定された地域に現在も居住している住民に対し、十分な支援を行うこと。
3 放射能で汚染された土壌などの除染を早期に実施し、住民の健康被害の防止及び心理的な不安の払拭に努めること。
4 国際基準や今回の事故の教訓を踏まえ早急に新たな安全基準を確立し、原子力発電所の安全審査指針を見直すとともに、事故発生時の対処法を国の責任において確立すること。
5 安全第一を基調とし、国民の不安と不信を払拭するため、監視機関の独立性向上と権限強化を盛り込み、国の原子力政策を抜本的に見直すこと。
6 事故により損害をこうむった被害者に対し,早急に適切な損害賠償を行うとともに生活再建及び事業再建に対し、適切な救済措置を講ずること。
7 警戒区域、計画的避難区域及び緊急時避難準備区域に指定された区域を有する自治体に対し、全面的な財政措置を講ずること。
8 国の防災基本計画及び原子力防災指針などの見直しを早急に行うこと。
9 事故による風評被害などの2次的な被害に対し、被害の防止や軽減策を講じ、特に輸出品に対する信頼の回復及び海外からの観光客の放射能への懸念の払拭に取り組むこと。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成23年7月1日

宮城県大崎市議会議長 三神祐司

内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、内閣府特命担当大臣(防災)、衆議院議長、参議院議長 あて

原子力発電からの撤退を求める意見書

 福島第一原子力発電所の事故は、原発の危険性を国民の前に事実をもって明らかにしました。
 現在の原発の技術は本質的に未完成で、極めて危険なものです。原発は莫大な放射性物質(死の灰)を抱えていますが、それをどんな事態が起きても閉じ込めておく完全な技術は存在しません。
 そして、一たび大量の放射性物質が放出されれば被害は深刻かつ広範囲で、将来にわたっても影響を及ぼします。
 そうした原発を、世界有数の地震・津波国である我が国に、集中的に建設することは危険きわまりないことです。日本に立地している原発で、大地震、津波に見舞われる可能性がないと断言できるものは一つもありません。
 歴代政府が、「安全神話」にしがみつき、繰り返しの警告を無視して安全対策をとらなかったことが、どんなに深刻な結果をもたらすかも明瞭となりました。
 よって、年限を区切り、自然エネルギーへの転換とあわせ原発からの撤退に向かうよう要望します。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成23年7月1日

宮城県大崎市議会議長 三神祐司

内閣総理大臣、経済産業大臣、衆議院議長、参議院議長 あて

福島第一原子力発電所事故による損害の早急な全額賠償などを求める意見書

 福島第一原子力発電所の事故は、国民生活のあらゆる面にわたり大きな影響を及ぼすとともに、農業を初めとした多くの業種に甚大な被害をもたらし、これに伴う風評被害も拡大する一方である。
 国はこの危機的状況を踏まえて、出荷制限、検査体制の強化や被害補償などの措置を講じたものの、国民の不信は解消せず、特に畜産農家の生活は経済的にも精神的にも大打撃を受け、まさに深刻な状況になっている。
 さらに、風評被害は本市の農業の柱である米にも及んでおり、収穫期を目前にして、大きな憤りと不安を抱えながら「食の安全・安心」対策に苦慮しているところである。
 また、将来に向けて懸念されるのが市民の健康への影響である。
 よって、国はその責任において、国民が安心して暮らせるための対策と賠償を直ちに行うべきであり、次の事項について特段の措置を講じるよう強く要望する。

1 消費者が安心して国内産牛肉を消費できるよう全頭検査を行い、出荷停止または出荷自粛に該当した場合は国による全頭買い上げとし、さらに生産者、流通販売業者に生じた損害を国の責任において全額賠償すること。
2 安全性が確認された肉用牛については、安全性を保証する証明書を発行するなど、風評被害を払拭する対策を講じること。
3 放射性物質が含まれていた稲わら及び堆肥の処分方法を早急に明示するとともに、処分に要する経費、代替品の手当て及び稲わらによる風評被害などにより生じた損害についても全額賠償すること。
4 汚染堆肥の施用による2次被害も想定されることから、土壌調査を実施するなど、万全な対策を講じること。
5 米、野菜の安全性を確認する放射性物質検査をきめ細かに実施し、生産者が自信を持って出荷できる体制と消費者が安心して購入できる体制を構築すること。また,米,野菜などが出荷停止となった場合、国による全量買い上げ措置を講じること。
6 観光地における風評被害の拡大、長期化を防止するため、観光事業者への特別運転資金、設備資金などの支援策を講じるとともに、復興イベントの開催や観光客の誘致活動に対する新たな国庫支出金制度の創設と拡充を講じること。また、宮城県の風評被害に対しても全面補償すること。
7 現行法では原発事故への早急かつ適切な対策をとれない実態が明白になったことから、住民の命と生活を守る法整備を行うこと。特に、大きな影響が懸念される子どもの生活環境に対する安全確保を図るため、早急に適切な措置を講じること。
8 食の安全、食への信頼を取り戻すため、放射能の健康への影響を正しく国民が理解できるよう、正確な情報を適時に提供し十分に説明すること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成23年8月22日

宮城県大崎市議会議長 三神祐司

内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、原子力損害賠償支援機構)、内閣府特命担当大臣(防災)、衆議院議長、参議院議長 あて

安全・安心な国民生活実現のため国土交通省の出先機関の存続を求める意見書

 政府は地域主権戦略会議において出先機関の原則廃止について検討を進めており、第13回会議で野田総理大臣は、年内には広域連合への移譲に向けた課題の克服にめどをつけ、来年の通常国会には法案を提出したいとしています。
 東日本大震災に見舞われ、懸命に復旧復興に取り組んでいる被災地では、震災前に策定されたアクションプランに基づく拙速な議論に大変な懸念を抱いています。
 東日本大震災では、国の出先機関は全国規模で人員、物資、資機材を手配し、専門的な知識、技術力と権限を行使して迅速な対応を行い、被災地にとっては大変心強い存在でありました。今回の大震災のみならず、大崎市が過去に経験した岩手・宮城内陸地震や幾多の大規模水害においても同様であり、地方における安全・安心の確保のためには国の出先機関は必要不可欠な存在となっています。
 アクションプランによって検討され、国の出先機関にかわる受け皿とされている広域連合などの組織が、どのような権限と責任で、現在国の出先機関が果たしている役割を安定的に果たし得るのか甚だ疑問であります。
 よって、国の出先機関のあり方を検討するに当たっては,今回の東日本大震災を初め,これまでの大規模災害において国の出先機関が果たした役割を十分に検証した上で、国民生活の安全・安心の確保と東日本大震災からの確実な復興の観点から、直轄で整備、維持管理をしている河川や道路事業は引き続き国の責任で執行し、地方整備局を初めとする地方出先機関廃止や地方移管は行わないよう強く要望します。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成23年12月20日

宮城県大崎市議会議長 三神祐司

内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、国土交通大臣、国家戦略担当大臣、内閣府特命担当大臣(行政刷新、「新しい公共」、少子化対策、男女共同参画)、衆議院議長、参議院議長 あて

「脱原発」政策の実行を求める意見書

 福島第一原発事故が発生してから9カ月になるというのに、事故の収束の見通しはいまだはっきりしない。放射能汚染は広範囲にわたり、その影響は日本全国に及び、我が市においても放射能汚染された稲わらや土壌の処分もできず、市民も見えない不安や恐怖の中で暮らしている。
 定期点検などで停止している原発の運転再開について、政府は「ストレステスト」を再開の前提としているが、原子力安全・保安院や原子力安全委員会という「安全神話」を前提にしてきた従来の枠組みによる安全確認では住民の理解を得ることは困難である。
 今回の事故を教訓に、住民の危険や不安を避けるためにも国のエネルギー政策を抜本的に転換し、早期に原子力利用から脱却することを強く求め、以下の対策をとることを要望するものである。

1 女川原子力発電所をはじめ運転停止中の原子炉については、福島第一原発事故の収束と検証、それに基づく新たな基準による安全対策の完了を経て、地元住民の同意を得るまで再稼働しないこと。
2 事故の収束は、放射線物質の放出抑制など危険の封じ込めが確実となることが十分に確認されること、及び使用済み燃料、汚染された土壌や稲わらなどの安全で確実な処分方法が確立されることが最低限必要であること。
3 事故検証は、政府の事故調査・検証委員会及び国会の事故調査委員会の最終報告が最低条件であり、公正で実質的な検証が尽くされること。
4 安全対策は、安全設計審査指針、耐震設計審査指針などの見直し、耐震バックチェック見直し、原子力の推進機関から独立した規制機関への再編が最低条件であること。
5 地元は、立地自治体のみではなく「防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲(EPZ)」見直しなどを踏まえ、半径80キロ圏内を目途に近隣自治体も含めて広く定義し、住民への説明や住民の意見反映を実質的に保障すること。
6 自然エネルギーの拡大を急ぎ、原発に頼らないエネルギー政策を図ること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成23年12月20日

宮城県大崎市議会議長 三神祐司

内閣総理大臣、経済産業大臣、衆議院議長、参議院議長 あて

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