意見書(平成18年)

更新日:2021年09月22日

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米国産牛肉の輸入再開最終合意に当たり、牛海綿状脳症の万全な対策を求める意見書

 日本政府は、平成17年12月12日に、アメリカ、カナダ産牛肉の輸入再開を決定し、輸入が始まりました。
しかし、平成18年1月20日にアメリカから輸入された牛肉に、SRM(特定危険部位)の脊柱が混入していたことが発見されました。
 つきましては、米国産牛肉の拙速な輸入再々開を行わないことや、国民の食の安全を守るため牛海綿状脳症への万全な対策が図られるよう以下のとおり求めるものであります。

1 米国産の牛肉などに対する牛海綿状脳症対策について、下記のような問題点があることから、これらに対する改善措置が明確にならない段階での拙速な輸入再々開を行わないよう求めます。
(1) 米国では、と畜される牛で牛海綿状脳症検査を行っているのは、極めて少ないこと。
(2) 生産、流通履歴をたどるトレーサビリティー制度が整っていないため月齢の判定が正確にできず、目視による骨化や肉質の状況での月齢判定では誤差を生じさせること。
(3) 特定危険部位の除去では、日本はすべての月齢の牛の脳などの危険部位を除去し、焼却処分を行っているのに対し、米国は30ケ月齢以上の牛に限られていること。
(4) 米国では除去された特定危険部位は処分されず、肉骨粉の原料とされ、豚や鶏の飼料として流通している。このため、飼料の製造段階での混入、交差汚染や、給餌時に誤って牛に与える危険性があること。
2 国内の牛海綿状脳症対策について、次の点を求めます。
(1) アメリカ・カナダ産の牛肉などの再評価を行うこと。その際には日本で実施されている牛海綿状脳症対策である、全頭検査、トレーサビリティー、全頭からのSRMの除去、肉骨粉の禁止を基準に評価すること。
(2) 輸入時の検査体制を強化し、最大限の検査を行うこと。
(3) 消費者の選択権を確保し食の安全を実現するため、牛肉を使用した外食、中食、加工品などすべてに原料原産地表示を義務化すること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成18年6月15日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
厚生労働大臣
農林水産大臣
内閣府特命担当大臣
(科学技術政策/食品安全)
あて

衆議院小選挙区の区割りの早期変更を求める意見書

 平成18年3月31日、宮城県大崎地域の1市6町が合併し大崎市が誕生いたしました。多くの合併自治体と同じように、大崎市においても、新市における一体性の醸成が重要な課題となっている。
 大崎市においては、衆議院小選挙区では宮城4区、5区、6区の3選挙区に分かれているのが現状であり、これを早期に解消し、大崎市を1つの選挙区に統合することは、地域における一体性を醸成する上でも焦眉の課題の1つと言わなければならない。平成17年から平成18年にかけて、全国的にも、多くの自治体で市町村合併が行われ、同様の事情を抱えている地域が少なくないと思われる。
 よって、早急に衆議院小選挙区の区割りを見直し、実情に合わせて変更することを求めるものであります。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成18年6月29日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
総務大臣
あて

地方交付税の制度堅持と総額確保、地方財政の充実・強化を求める意見書

 地方財政を縮小する「三位一体の改革」の3年間で、地方交付税は5.1兆円も削減されています。本市の削減額は、市税が減少しているのに、歳入の1割近い17億円を超える大幅削減となり、厳しい財政運営を余儀なくされております。
 ところが、政府は、平成18年度の「骨太の方針」の策定に向け、地方交付税の新たな見直し、削減を検討していることが報道されています。また総務大臣は、来年度から、「人口と面積を基準に配分」する「新型交付税」の導入を計画し、3年間で5兆円規模を目指すと提案しています。しかし、地方から、地方交付税の財源保障をゆがめ、地域間格差を広げるとの懸念が表明されています。
 これに対して地方六団体は、先月末、「地方自治危機突破総決起大会」を開き、「削減ありきの交付税見直しの断固阻止」を決議し、全国知事会長は、「地方自治の危機を突破し、住民の暮らしを守る戦いに挑んでいく」との態度を表明しています。
 地方交付税は、「国が地方にかわって徴収する地方税」としての性格を有し、地方公共団体固有の財源であります。地方税に次ぐ重要な財源である地方交付税総額の一方的な削減が実施されるならば、地方自治の根幹を揺るがし、「住民の福祉の増進」を図り、地域の行政需要に対応する上で、重大な障害となることは必至であります。
 よって、政府に対して下記事項の実現を強く求めるものであります。

1 地方自治体間の財政力格差が大きい現状においては、地方交付税制度の財源保障、財源調整という2つの機能を堅持し、自治体の安定的な財政運営に必要な一般財源の総額を確保すること。
2 地方財政再建と地方財政確立に向けた第2期の改革として、国から地方への過剰な関与を見直し、さらなる税源移譲と国庫補助負担金改革を進め、地方自治確立と分権改革の基盤整備につながる税財政改革を進めること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成18年6月29日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
あて 

品目横断的経営安定対策に関わる意見書

 政府が平成17年10月に打ち出した「経営所得安定対策など大綱」に基づき、全国的にその受け皿づくりとして認定農業者と集落営農づくりが推し進められています。
 これまでの全農家を対象としたビート、小麦、大豆、でん粉用バレイショの価格保障を廃止し、「諸外国との生産価格の是正」(げた)と「収入変動による影響緩和」(ならし)を組み合わせた「品目横断的経営安定対策」を実施するための関連法案が国会で審議されています。
 WTOやFTA(自由貿易協定)による関税の引き下げと輸入拡大を前提として、今後、輸出補助金などのついた諸外国の農産物との厳しい市場競争が繰り広げられようとしています。現在の農業の安定をもたらした制度に変えて「品目横断的経営安定対策」が実施されても、経営は維持できないのではないかという不安とともに、ますます過疎を加速させ、農村地域社会を崩壊させかねないとの懸念も広がっています。
 地域の実情を踏まえた多様な形態の家族経営を直接支払いと価格保障で支える経営安定対策こそが世界の流れであり、今、日本農業に求められる政策です。
よって、次の事項について実現するよう強く要望するものであります。

1 「品目横断的経営安定対策」を実施するに当たっては、意欲あるすべての農家を対象に直接支払いと生産費に見合う価格保障を組み合わせた対策にすること。
2 規模の大小などだけでなく、地域の実情に即した多様な担い手を確保するための施策を強めること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成18年6月29日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
農林水産大臣
あて

耐震構造計算書偽造問題に関する被害者救済を求める意見書

 今回、突然降ってわいたような構造計算偽装問題で、夢を持って生きていくためのついの住みかと思って、長期ローンを組んで買った善意の住民が地獄に突き落とされ、また近隣の周辺住民もいつ倒壊するかわからないという恐怖と不安にさいなまれるようになってしまいました。地震大国と言われている日本において、震度5強程度の地震はいつ起きても不思議ではなく、当該建物住民のみでなく、その周辺住民の生命をも脅かす極めて悪質な行為が、国の監督のもとで行われる建築物の設計、施工、検査の場で起きたことについて、極めて深刻に受けとめなければなりません。
 耐震偽装マンションの住民は、使用禁止命令が出され、半ば強制的に住居を失いました。国は、平成17年12月に「構造計算書問題への当面の対応」をまとめ、偽装によって強度が基準の50%以下しかない分譲マンションについて、既存制度を利用し、建てかえ費用の一部を支援するとしています。しかし、国の支援策に基づいて自治体が作成した建てかえ案に居住者が合意したマンションは一つもありません。既存の住宅ローンに加え、新たに2、000万円を超える巨額の追加負担が求められることから、過度の不安を抱えた状態に置かれています。
 耐震構造偽装問題による被害を被っている居住者に、これ以上の負担がかからないようにするとともに、欠陥住宅の再発を許さないという立場から、国民が安心して生活できる住居を確保することができるよう、以下のとおり求めるものであります。

1 耐震偽装の被害者の救済に国を挙げて全力で取り組むこと。
2 偽装建築物の円滑な建てかえや補強を実行できるよう、「構造計算書問題への当面の対応」の抜本的な見直しを含め、被害者救済策の充実に向けた特別の法的措置を講じること。
3 欠陥のある建物を抵当権にとって融資を行うなど、担保価値を見誤まった銀行も責任の一端を負担すべきであること。重荷となっている二重ローン問題に対処し、被害者の生活再建に向け、既往ローン債務軽減のための銀行との交渉、補償責任がある販売主や関係した企業からの資金回収、無利子基金の設立などについて国の責任で対応すること。
4 売り主に重大な過失があるときの債務が住民から売り主へ移転されるようにするとともに、審査能力を持つ金融機関も建築物の安全性能に一定の責任を有するように検討すること。
5 偽装建築物の補修費用などを建設業界が負担するよう、住宅保障保険制度の創設を検討すること。
6 被災者生活支援制度の充実を図るとともに、国や自治体が問題業者のかわりに補償を立てかえるような犯罪被害者救済代行制度を検討すること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年6月29日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
国土交通大臣
衆議院議長
参議院議長
あて

国勢調査の抜本的見直しを求める意見書

 統計法による指定統計調査をして5年に1度行われている国勢調査は、1920年(大正9年)に始まり今日に及んでいますが、この間、「対面式」の調査方法などは基本的に踏襲されています。
 市民のプライバシー意識や防犯意識の高まりの中で、このような調査に対する不信感が広がり、またオートロックマンションの増加やライフスタイルの多様化で、在宅時間がまちまちであることなどから、調査票の配布自体がままならない事例や、調査協力を得られないことがあったほか、調査票の配布に回る調査員が、ストレスから調査票を燃やしてしまう事件や、調査員が途中で辞退する事例も報告されるなど、調査員が、調査対象者へ戸別に訪問して調査すること自体に、困難さが際立っている現状にあります。
 また、調査事項は、統計法上では「人口に関する全数調査」とされながら、国勢調査令では「世帯員に関する事項」「世帯に関する事項」とし、氏名や男女の別、生年月日、世帯主との続柄などにとどまらず、「在学、卒業など教育の状況」「就業時間」「所属の事業所の名称及び事業の種類」「仕事の種類」「従業上の地位」「従業地又は通学地までの利用交通手段」など多岐にわたり、かつ「世帯の種類」「家計の収入の種類」「住居の種類」「住居の床面積」「住居の建て方」など詳細に及んでいます。
 調査結果については広く「行政施策の基礎資料作成に資するもの」とされていますが、必ずしも有用ではなく、むしろ他の指定統計調査などの中でも把握できるものも少なくありません。
 個人の自己情報コントロール件を保障しようとする個人情報保護のための法体系や自治体条例との不整合などの課題も出てきています。
 以上のように、国勢調査は、調査される市民の側や調査員及び指導員など調査する側双方ともに過酷であり、自治体の負担が余りにも大きく、あわせてその原因には詳細な調査項目、記名調査があることも改めて明白になっています。
 国においても、既に「国勢調査の実施に関する有識者懇談会」が設置され、調査方法、調査業務のあり方、調査内容などの検討を進め、平成18年7月までに「改善策の提案」をまとめるとしています。
 平成17年10月1日に行われた調査は簡易調査でありましたが、平成22年実施予定の調査は大調査となることから、国勢調査のあり方について、調査方法はもとより、調査自体の意義、必要性も含め、早急に抜本的に見直しをするよう求めるものであります。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年6月29日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
総務大臣
衆議院議長
参議院議長
あて

教育基本法の理念の尊重を求める意見書

 教育基本法は、憲法の保障する教育にかかわる権利を実現するために定められた教育法規の根本法であり、準憲法的な性格を持つ法であります。現行の教育基本法は、憲法の根本的な原理である個人の尊厳の尊重のもとに、憲法の保障する教育を受ける権利、学問の自由、思想良心の自由、法の下の平等などの諸原理、諸原則を具体化したものであります。戦後、さまざまな問題を抱えながらも、義務教育の保障、へき地教育や定時制、通信教育、障害児教育の改善などがなされたのは、同法の理念を実現すべく努力が重ねられた結果であります。
 本来の教育の目標は、子どもたち一人一人の人格の全面的な発展を実現することにあり、そのためには、子どもたちの学習権と人権を学校内で尊重すること、一人一人の子どもの自立性と人格が大切にされることがもっとも大切であります。このような視点は、まさに教育基本法の理念、視点であって、ここからも教育基本法の正当性は明らかであり、そのためには、「教育の中立性」確保が不可欠であります。
 以上の観点から、今求められているのは、拙速な教育基本法の改正ではなく、教育基本法の理念や精神を十分に生かした教育を実施すること、すなわち子どもの権利を基本に据えて、小人数学級の実現、教育施設の充実、財政的援助の拡充などの「諸条件の整備」を行うことこそ必要な課題であります。したがって、拙速な教育基本法改正は行わないことを要望するものであります。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出します。
平成18年6月29日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
文部科学大臣
あて

多重債務を未然に防止し消費者保護を図るための意見書

 クレジットカードや消費者金融を利用し返済困難に陥っているいわゆる多重債務者は、少なく見積もっても150万人から200万人、自己破産者は年間21万人を超え、経済、生活苦による自殺者も年間8、800人を突破しています。大半の多重債務者は、債権者の厳しい取り立てを恐れて、返済のための借金を繰り返す自転車操業に陥っており、それが原因と思われる自殺、家出、犯罪なども発生しております。国民の10人に1人が消費者金融を利用し、国民1人当たり2枚のクレジットカードを所有している我が国において、だれもが多重債務に陥る可能性があります。
 こうした、まさに「多重債務社会」の一方で、大手消費者金融(サラ金)は、現在も高収益を上げ、その役員は「長者番付」上位の常連となっています。その背景には、低金利による資金調達とともに、利息の上限違反に刑罰を科す出資法と、民事的効力の限界となる利息を定める利息制限法の上限金利の間の差(民事上無効だが刑事罰の対象とならないグレーゾーン)があり、グレーゾーンの利率で貸し付けるという実態があります。この問題については、いわゆるヤミ金対策法の附則(2003年改正出資法附則第12条)で平成19年1月をめどに、消費者金融の金利規制を見直すこととされており、またグレーゾーン金利を事実上否定した平成18年1月の最高裁判決もあり、これから国会などでの議論が本格化することが予想されます。
 つきましては、多重債務の未然防止と消費者保護を図るため、国に対して、次の事項を実現するよう強く要望するものであります。

1 少なくとも、出資法第5条の上限金利を利息制限法第1条の制限金利まで引き下げ、民事、刑事の規制を統一し、消費者金融の貸出金利の引き下げを図ること。これに反するいかなる特例も設けないこと。
2 貸金業の規制などに関する法律第43条「みなし弁済」規定を廃止すること。
3 多重債務者に対する相談体制を強化するとともに、クレジットカード、サラ金被害の未然防止のため、消費者教育の充実を図ること。
4 年金転貸融資利用の多重債務者にも、住宅を手放すことなく生活再建する道を開くよう、年金転貸融資利用の貸し付け債権者に民事再生法第196条第1項第4号の住宅資金特別条項を適用すること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年10月3日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
法務大臣
内閣府特命担当大臣
(金融)
衆議院議長
参議院議長
あて

ドクターヘリの全国配備へ新法制定を求める意見書

 1分1秒を争う救急医療の"切り札"としてドクターヘリの全国配備が強く望まれています。特に近年、医師の偏在や不足が重大化しつつある中で、患者がどこにいても短時間内に治療や搬送を行うドクターヘリの配備の必要性は高まっています。
 日本の現状は、ドクターヘリが広く普及している欧米諸国と比べると大きな格差があります。例えば、1970年に世界に先駆けてドクターヘリを導入したドイツでは、その後20年間で交通事故による死亡者数を約3分の1にまで劇的に減少させています。また、山岳地帯が多いスイスでは、国内どこへでもおおむね15分以内に医師を乗せたヘリを現場に派遣して、治療行為を開始できる体制をとっています。
 しかし、日本では平成13年度からドクターヘリ導入促進事業がスタートしましたが、現在、岡山、静岡(2機)、千葉、愛知、福岡、神奈川、和歌山、北海道、長野の9道県10機の運行にとどまっています。導入が進まない要因の1つは、運営主体となる都道府県や病院の過重な財政負担であることが指摘されています。
 よって、国においては、救命救急に大きな効果を上げるドクターヘリの全国配備を推進するために、財政基盤の確立を含めて体制整備に必要な措置を図るため、下記事項を含めた新法の制定を強く求めるものであります。

1 国と都道府県の責務を明記すること。
2 国が整備に必要な経費を補助すること。
3 運行費を支給するなど財政安定化を図ること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年10月3日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣
衆議院議長
参議院議長
あて

高次脳機能障がい者支援の手引書に関する支援を求める意見書

 高次脳機能障害は、交通事故などの外傷性脳損傷や脳血管障害の後遺症として、記憶障害、注意障害、社会的行動障害などがあり、日常生活、社会生活への適応に困難を有する例が見られる症状です。
 国において平成13年度から平成17年度までの5年間にわたって実施された高次脳機能障害支援モデル事業では、全国12地域の地方支援拠点機関などと国立身体障がい者リハビリテーションセンターが参加して、医学的リハビリテーションや生活訓練、就学・就労支援など社会参加支援のためのプログラムが開発され、一定の有用性が実証されました。今後は、全国で高次脳機能障がい者に対する支援体制を整備することが必要とされています。
 そのためには、モデル事業の成果を医療・福祉関係者、さらには就労関係者に普及を図るとともに、高次脳機能障がい者についての専門知識を有する人材育成が急務であります。
 よって、平成17年7月1日発行の手引書は、モデル事業の成果であり、早急な実施と支援を、下記のとおり求めるものであります。

1 高次脳機能障がい者支援センターの設置と、専従の支援コーディネーターの養成と配置をすること。
2 障がい者手帳の取得につながる高次脳機能障害の診断基準の徹底を、医療機関に対し、周知徹底を図ること。
3 就労復帰、日常生活復帰を促進するため、就労支援センターの設置・運用を行うこと。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年10月3日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

厚生労働大臣
宮城県知事
あて

「JR不採用問題」の早期全面解決を求める意見書

 国鉄の分割・民営化が実施され、既に20年目に入りますが、その不採用問題が長期化していることは憂慮すべき事態です。2003年12月の最高裁が「国鉄が採用候補者名簿の作成に当たり不当労働行為を行った場合には、国鉄もしくは国鉄の法的地位を引き継いだ清算事業団は使用者責任を免れない」との判断を下したことに留意し、ILO(国際労働機関)は2004年6月、日本政府に対し「問題解決のため、政治的、人道的精神に基づき、すべての関係者との話し合いを推進するよう勧める」と6度目の勧告を出しています。
 また、昨年9月には、東京地裁は「鉄建公団訴訟」判決を言い渡し、採用に当たって不当労働行為があったことを認めています。
 この19年の間、問題の解決を見ることなく他界した当事者は30名を超え、家族を含め塗炭の苦しみにあえいでいる状況をかんがみるとき、人道的見地からこれ以上の長期化は避けなければならないと考えます。
 よって、本議会は政府に対し、ILO条約批准国の一員として、この勧告を真正面から受けとめ、解決のためにすべての関係機関と話し合いを早期に開始するよう強く求めるものであります。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年10月3日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣
あて

障害者自立支援法の抜本的な改正を求める意見書

 平成18年4月から障害者自立支援法が施行され、障がい者の施設や居宅支援の利用に応益(定率)負担制度が導入されました。その影響は、障がい者の生活を直撃し、施設の退所、作業所への通所の断念、ホームヘルプサービス利用を手控えるなどの形で、生活水準の低下を引き起こしています。また、障がい者施設は、報酬単価の引き下げや日払い化によって、運営の継続が困難な状況に追い込まれております。
 障がい者の生活実態を重く見た地方自治体は、サービス利用料、自立支援医療費について、独自の負担軽減策を行っておりますが、施行直後から軽減策を講じなければならない事態は、そもそも法の制度設計に無理があったと言わざるを得ません。
 さらに、10月から、新サービス体系への移行、新たな障害程度区分に基づく支給決定など本格的な施行が始まるため、障がい者、家族、事業所への影響は深刻さを増すことが予想されます。
 8月25日、「障がい者の権利条約」案は、国連特別委員会で合意がなされ、年内に国連総会で採択される予定となりました。世界の潮流にかんがみ、真に障がい者に対する差別を撤廃し、障がい者の自立と社会参加を求める立場から、障害者自立支援法について、下記の事項を強く求めるものであります。

1 障害者自立支援法施行による障害当事者、家族、事業者、地方自治体への影響調査を早急に行い、真にノーマライゼーションの理念に則して同法の検証を根本から行うこと。
2 応益(定率)負担制度を抜本的に見直すこと。特に、授産施設など就労支援施設に係る利用料負担については、応益負担の撤回を含めて見直すこと。また、10月から導入される障害乳幼児の療育に関する応益負担については、児童福祉法の理念を踏まえて凍結し、現行の公的責任による施策を継続すること。
3 自立支援医療の実施により、公費負担を受けられる対象が大幅に制限され、患者、家族の負担が急増している。障がい者、障害児が安心して医療が受けられるよう、同法から自立支援医療を切り離し、従来の精神通院医療、育成医療、更生医療に戻すこと。
4 障がい者程度区分の認定については、知的障害や精神障害の判定が、実際の障害程度より軽くなるなど、生活の実態を反映することが非常に難しい。介護保険制度に準じた判定基準を当てはめるのではなく、障害当事者の個々の生活ニーズに基づく支給決定の仕組みにつくりかえること。
5 地域生活支援事業(相談支援、移動支援など)は、国の裁量的経費であり、補助金によって事業内容が制限される。自治体の積極的な取り組みが可能となるよう、地域生活支援事業の予算を大幅に増額すること。また、移動支援は、国の義務的経費とし、障がい者の社会参加を保障すること。
6 自治体間の格差を是正し、障がい者の地域生活の充実を図るために地域生活基盤の緊急整備を行うこと。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年10月3日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
厚生労働大臣
あて

障害者自立支援法の施行に伴う負担軽減を求める意見書

 平成18年4月から障害者自立支援法が施行され、障がい者の施設や居宅支援の利用に応益(定率)負担制度が導入されました。その影響は、障がい者の生活を直撃し、施設の退所、作業所への通所の断念、ホームヘルプサービス利用を手控えるなどの形で、生活水準の低下を引き起こしています。また、障がい者施設は、報酬単価の引き下げや日払い化によって、運営の継続が困難な状況に追い込まれております。
 障がい者の生活実態を重く見た地方自治体は、サービス利用料、自立支援医療費について、独自の負担軽減策を行っておりますが、施行直後から軽減策を講じなければならない事態は、そもそも法の制度設計に無理があったと言わざるを得ません。
 さらに、10月から、新サービス体系への移行、新たな障害程度区分に基づく支給決定など本格的な施行が始まるため、障がい者、家族、事業所への影響は深刻さを増すことが予想されます。
 障がい者の自立と社会参加を求める立場から、障害者自立支援法の施行に伴う負担軽減について、下記の事項を県独自の支援策として求めるものであります。

1 利用者負担を半分に減ずる定率負担軽減策(10%→5%)を講ずること。
2 自力通所困難な利用者に対し、現行のデイサービス事業送迎費の2分の1を助成すること。
3 国が食費負担軽減措置の対象外とした住民税課税世帯に属する障がい者の施設での食事代の人件費分または2分の1を助成すること。
4 報酬額の引き下げと、「月払い方式」から「日払い方式」に変更になったため、大幅な減収が見込まれる。施設運営が維持できるよう助成すること。
5 国に対して、障害者自立支援法の全面的な見直しを働きかけること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年10月3日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

宮城県知事 あて

集配局の廃止再編計画に反対する意見書

 日本郵政公社は、2007年10月の完全民営化を前に、来年3月までに1,048の集配局を無集配局とする再編合理化を行うとし、早い局では今年9月から実施しようとしております。無集配局とされる1,048の大半は、離島や中山間地、過疎地の郵便局であり、地域住民の日常生活に必要不可欠な郵便物の集配や金融サービスなど生活基盤サービスを提供するにとどまらず、安心安全なまちづくりに貢献するとともに、地域住民の交流の場としても活用されております。地域から若者が減少し、高齢化が急速に進むもとで、地域の郵便局の存在はますます重要となっております。
 採算性のみを重視したこの合理化計画が実施されると、郵便物の配達にとどまらず、貯金や保険、「ひまわりサービス」など現在の郵便局サービスが低下することとなり、住民の不安が高まっております。また、郵便局機能の縮小は、郵便局員や家族の減少にもつながり、地域経済に与える打撃は極めて大きく、地域の過疎化はもちろん、地域破壊につながることも懸念されます。
 このような地域の実情と住民の声を無視した統廃合計画は、真の行政改革にも逆行するものであります。また、「民営化すればサービスがよくなる」、「サービスは低下させない」などの国会答弁にも反するものであり、到底認めることはできません。
 よって、政府においては、地域住民の合意と納得を得ないもとで集配局廃止が行われることのないよう、下記の事項の実現に特段の努力を求めるものであります。

1 地域住民の合意と納得を得ない集配局の廃止再編は行わないこと。
2 離島や僻地、中山間地の郵便局を維持し、現在の集配局機能を維持すること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年10月3日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
総務大臣
あて 

学区制問題での拙速な決定を避け公聴会開催を求める意見書

 高等学校入学者選抜審議会は、宮城県教育委員会から「通学区域(学区制)の今後の在り方について」の諮問を受け、10月に最終答申をまとめるとしています。そして、宮城県教育委員会は、早ければ現在の中学2年生が対象となる2008年度からの新制度の導入を目指しています。
 現在でも学校間格差は存在し、それが教育の諸矛盾の根源であると中教審答申も指摘しています。学区が撤廃されれば、高校間の競争は激化し、序列化が一層進むという心配の声が出ています。
 一方、学力向上などの観点から、撤廃すべきだという意見も出されています。
 よって、学区の撤廃問題については、審議会の学区制検討小委員会が、7月から8月にかけて実施した意見公募の結果でも、賛否が拮抗していることも受けとめ、拙速な決定を下すことなく、そして、広く県民の意見をくみ上げ決定するため、県教委主催での意見交換のできる公聴会を県内各地で開催されるよう強く要望するものであります。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年10月3日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

宮城県知事
宮城県教育長
あて

大崎地方の道路整備に関する意見書

 道路は私たちの暮らしを支え、豊かな地域社会の形成を図る最も基本的な社会資本であり、急速に少子高齢化が進展する中、活力ある地域づくりと豊かで潤いのある生活の実現のためには、環境との調和を図りながら既存ストックの有効活用や良質な社会資本を計画的に整備することが不可欠であり、その実現を熱望するところであります。
 また、本市は平成18年3月31日に1市6町による広域合併で人口約14万人、面積約796平方キロメートルの新市が誕生したところであり、県北の拠点都市として豊かな自然とすぐれた文化をはぐくみながら、日常生活の利便性の向上や、地域の一体性を高めるために、地域内の円滑な移動ができるような道路ネットワークの整備が必要であります。
 特に、県北地域で唯一整備されている大崎市民病院救命救急センターへの搬送といった救命救急医療活動や、高い確率で予想される宮城県沖地震を初め、災害時の避難及び救援活動など、地域の人々が安全で安心して暮らせる町を目指すには、地域高規格道路の整備とともに一般国道、県道、市町村道に至る道路の整備が最優先されるべき重要な課題となっています。
 このように当地域における道路整備は、いまだ不十分な状況の中にあり、年々減少し続ける道路整備予算の現状は地域の課題に的確に対応した道路整備を推進していく上で、重大な支障を生ずることが懸念されます。
 このため、地方の発展と自立を支える道路整備を計画的に推進するため、下記の事項について特段の配慮がなされるよう強く要望するものであります。

1 地方における活力ある地域づくり、都市づくりを行うため、この基盤である道路整備を一層促進するとともに、道路網の早期形成を図ること。
2 地方の道路整備の必要性及び実情を踏まえ、道路整備を確実に促進するため、道路整備予算の総額を大幅に増額するとともに、地方への道路整備に重点的に配分すること。
3 受益者負担の原則に基づく道路特定財源制度を堅持し、一般財源化することなく全額を道路整備予算に充当すること。
4 県北地域の発展と安全、安心で豊かな地域を実現するため、石巻・新庄地域高規格道路の早期事業化と国道108号花渕山バイパス、国道108号古川東バイパス、国道346号鹿島台バイパスの早期完成に向け、より一層の事業促進を図ること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年10月3日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
あて

鳴子温泉向山地区への産業廃棄物処理施設の建設計画を許可しないことを求める意見書

 鳴子温泉向山地区に産業廃棄物中間処理施設並びに最終処分場を建設する計画について、事業者が旧鳴子町に建設計画の説明のために訪問してから、3年余を経過しております。
 その間、事業者である株式会社循環は、旧鳴子町内を初め、近隣町の住民に対する説明会の開催を経て、「産業廃棄物処理施設の設置及び清掃に関する法律」並びに「産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理に関する指導要領」に基づいて、立地計画概要書を宮城県に提出し、県は、再三の補正を指示し、現在審査中であると伺っております。
当該施設の建設予定地は、豊かな泉質を誇る温泉と自然豊かな観光地「鳴子温泉郷」のエリアにあり、多田川、渋川、鳴瀬川、さらには湯沢川、江合川の最上流部に位置し、大崎地域の飲料水や農業用水の源泉地であります。
 これが建設されることによって、大崎地方の米を初めとする農産物や観光を主産業とする鳴子温泉地区に与える風評被害による経済的打撃ははかり知れないものがあります。
 事業者からは、「水は放流しないこと」や「安心であること」が再三にわたって伝えられてはいるものの、これは予想の範囲からのことであり、確実に絶対安心であるとは言い切れるものではなく、村田町の竹の内産業廃棄物処理施設の例にも見られるとおりであります。
 したがって、住民の飲料水や農産物の汚染、悪臭、騒音など、産業廃棄物の中間処理施設及び最終処分場が抱える問題に対し、大崎地域の住民の多くは、大きな不安と建設計画の推進に疑念を抱き、貴職並びに県議会への要望活動を幾度となく行われていることは周知のとおりであります。
 よって、県は、建設計画に係る事務に当たっては、長年にわたる施設管理の困難さや、現在発生しているさまざまな問題とその影響の大きさを考慮するとともに、地域住民の意思を重く受けとめ、建設計画の許可をしないよう強く求めるものであります。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年12月7日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

宮城県知事 あて

建設国保の育成・強化に関する意見書

 建設投資がピーク時の60%台にまで落ち込んだ中で、建設労働者は、仕事の確保に追われています。ようやく仕事を見つけても、今度は賃金引き下げや不払いなど、苦境に立たされ続けています。このように賃金・労働条件が不安定な建設現場で働く建設労働者にとって、建設国保は必要不可欠な制度です。
 建設業に従事する職種の労働者・職人・一人親方・小零細事業主は、休業のときの収入が保障されていません。病気やけがで仕事ができなくなれば、即収入の道が断たれてしまいます。1日休業すれば、その分所得が減少してしまうことから、疾病による休職は日常生活に与える影響が大きく、まして長期間の入院・療養生活ともなれば、収入のない中から医療費、入院給食費などの治療にかかる費用や生活費、国保組合の保険料なども払わねばなりません。そのために、休業補償としての傷病手当金を給付するなど、建設国保は、建設業の就労実態に即した保険者運営を心がけています。組合員も高い保険料収納率を維持し、労災の紛れ込みを防止するなど医療費の適正化に向けた努力を行っています。
 保険者機能が十分発揮でき、結果として医療費の上昇をある程度抑制することができる組合方式の建設国保が、今後とも安定した運営が続けられるよう、来年度予算編成に当たって、以下の項目の実現を求めるものであります。

1 国民健康保険の管理運営の主体は公営国保と国保組合とし、建設国保組合を育成強化すること。
2 国保組合に対する国庫補助は従来以上の水準を確保すること。そのため、当面、国保組合に対する特別助成については厚生労働省の概算要求額281億1,000万円を満額確保すること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年12月22日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣
衆議院議長
参議院議長
あて

「法テラス」のさらなる体制整備・充実を求める意見書

 司法制度改革の一環として、法律サービスをより身近に受けられるようにするため総合法律支援法が2年前に施行されました。同法に基づき「日本司法支援センター」(愛称・法テラス)が設立され、10月2日、全国で一斉に業務を開始しました。
 法テラスは「身近な司法」実現へ中核となる組織で、情報提供、民事法律扶助、司法過疎対策、犯罪被害者支援、国選弁護の事務などを主な業務としています。業務開始の初日だけで全国で約2,300件もの相談があり、期待のほどがうかがえます。
 今後、法的トラブルの増加も予想されるだけに、法テラスは時代の大きな要請にこたえる機関です。2005年、2006年に鳥取、茨城県などで4回の試行を実施した結果からは、相談件数が年間100万から120万件を超えると予測されており、これに対応できるだけの体制整備が望まれます。
 よって、法テラスの体制をさらに充実させるため、下記の項目について早急に実施するよう強く要望するものであります。

1 全国で21人しか配置されていないスタッフ弁護士を早急に大幅増員すること。
2 司法過疎対策を推進し、いわゆる「ゼロワン地域」を早急に解消すること。
3 高齢者、障がい者などの司法アクセス困難者への配慮として、訪問や出張による相談などを実施すること。
4 「法テラス」について、特に高齢者、障がい者、外国人、若者などに配慮し、きめ細かく周知徹底を図ること。
5 利用者の利便性に配慮し、「法テラス」は日曜日も業務を行うこと。
6 メールによる相談サービスを早期に導入すること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年12月22日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
法務大臣
衆議院議長
参議院議長
あて

庶民増税に反対し、税制の見直しを求める意見書

 政府は、「景気は記録的に回復している」と言っていますが、一般市民にその実感がないだけでなく、ますます苦しくなっているのが現実です。
 政府が進めてきた構造改革のもとで、格差と貧困が広がっており、これを正すことを市民は強く求めております。それにこたえるためには、所得の再配分という税制の本来の機能を強化することこそ必要です。
 ところが、この間の経過を見ると、高齢者に課せられた所得税・住民税の増税は、年3,970億円。その一方で、財界の要求で導入された連結納税制度だけで、その減税効果は、この4年間で1兆300億円に達しているとのことです。
 内閣府の統計(国民経済計算)によると、バブル期の1989年度の日本全体の企業利益は38兆3,023億円で、法人3税の税収は29兆8,286億円です。それが、2002年度には、企業利益41兆5,366億円とバブル期を上回っているのに、法人3税の税収は、15兆2,211億円に落ち込んでいます。これは、法人税などの税率が数回にわたり引き下げられたからです。
 今また、財界から法人税の実行税率引き下げの要求が報じられ、政府税制調査会長が、それに沿った結論を出す方向である旨の発言をしていることも報道されています。
 その一方、2007年1月から所得税、6月から住民税の定率減税を全廃するとか、2008年度から消費税の大増税が行われるという不合理があってはなりません。
 つきましては、所得の再配分という税制本来の機能を強化する立場から、税制の抜本的見直しに取り組み、定率減税の廃止や消費税の増税を行わないことを強く求めるものであります。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年12月22日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
財務大臣
衆議院議長
参議院議長
あて

診療報酬の引き下げをやめ、高齢者医療制度の見直しを求める意見書

 平成18年4月から、政府が診療報酬を平均3.16%引き下げたことにより、本市の市民病院は約2億円もの減収になり、課題となっている本院及び岩出山分院改築の大きな障害の1つになっています。それだけでなく、地域の医療機関の経営をも圧迫し、地域医療体制の維持にも影響します。
 また、平成18年6月成立した医療制度改革関連法により平成18年10月から療養病床に入院する70歳以上の高齢者の食費、光熱費や水道代が全額自己負担となり、これが平成20年度からは65歳以上にも拡大されるとか医療区分1とされた患者を多く抱える医療機関は大幅減収で経営困難に陥る仕組みになりました。
 加えて、宮城県大崎保健所管内には744床の療養病床がありますが、6年で介護型を全廃、医療型は6割を削減するという国の計画に市民は大きな不安を持っています。
 憲法第25条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」とうたっていますが、この精神とはかけ離れた事態になりつつあるのが現状です。
 つきましては、地域医療機関の存亡に大きな影響を及ぼす診療報酬の引き下げをやめるだけでなく必要な医師及び看護師を確保できるよう見直しを行うこと、高齢者が医療機関から出ざるを得なくなるような酷な高齢者医療制度を改善するよう強く求めるものであります。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年12月22日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣
衆議院議長
参議院議長
あて

農地・水・環境保全向上対策の完全実施を求める意見書

 本市では、経営所得安定対策の1つの柱である、「農地・水・環境保全向上対策」を平成19年度以降の農業振興策の大きな柱としてとらえ、農地や水などの資源の保全とその質の向上を図り、将来にわたって農業・農村の基盤を支えていく対策として、これを積極的に推進し、既に数度にわたる集落などへの説明を終え、事業実施に向け万全の体制を整えています。
 県におかれても、この事業に鋭意取り組んでいるところでありますが、県が想定していた希望面積を大幅に超えたことにより県助成金の増額が必要とされる事態になっているため、県は財政難を理由として新たな交付要綱などを作成し、事業実施面積の絞り込みを図ろうとしています。
 このことは、経営所得安定対策に取り組もうとしている集落の意欲をそぐことにつながることから、下記の事項の実現に向け、早急に取り組むよう要望するものであります。

1 財政難を理由に、宮城県が独自の基準を設けて交付金を削減したり、助成要件を国の基準より厳しくしないこと。
2 化学肥料と化学合成農薬の使用を大幅に低減し、環境に配慮した地域農業に取り組む集落に対しても支援することとしており、市内においても多くの集落が事業への取り組みを希望している。
このような先進的な農業に取り組もうとする集落の意欲をそぐことなく、希望する全集落に対して支援すること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年12月22日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

宮城県知事 あて

森林の保全及び林業の活性化に関する意見書

 昨今、温室効果ガスの増加による地球温暖化現象が人類の生存基盤を揺るがす重要な環境問題とされる中で、平成17年2月には「京都議定書」が発効されました。これを受け、同年4月に政府は「京都議定書目標達成計画」を策定したが、その中で森林は温室効果ガスの吸収源としての大きな役割が課されています。また、平成17年7月のグレンイーグルズ・サミットにおいて、違法伐採対策に取り組むことが地球環境の保全や森林の持続可能な経営に向けた第一歩であることが合意され、平成18年7月のサンクトペテルブルク・サミットにおいてもその重要性が再確認されたところであります。我が国においても、政府及び業界が一体となって違法伐採対策に着手したところであり、違法伐採問題に対する取り組みを強化することが求められています。
一方、近年大規模な自然災害が多発しており、山地災害を未然に防止するため治山対策や森林の整備、保全の一体的な推進が強く求められています。
大崎市における森林面積は、4万2,281ヘクタールで、市の面積の53.06%を占めています。林業経営の状況は、輸入木材の増加により木材価格が低迷をする中、立木価格の現状は、昭和55年ピーク時の約2割に落ち込み、今なお厳しい状況が続いています。林業・木材産業の再生を、より確かなものとするための強力な施策の展開が必要であります。
よって、国においては、次の事項を実現されるよう強く要望するものであります。

1 多様で健全な森林の整備、保全などを促進するために必要な予算を確保すること。
2 二酸化炭素を排出する者が負担する税制上の措置などにより、地球温暖化防止森林吸収源対策を推進するための安定的な財源を確保すること。
3 森林・林業の担い手の育成、確保並びに国産材の安定供給体制の整備及び利用拡大を軸とする林業・木材産業の再生に向けた諸施策を展開すること。
4 国民の安全・安心な暮らしを守る国土保全対策を推進すること。特に、国有林野にあっては、安全・安心な国土基盤の形成と地域振興に資する管理体制を確保すること。
5 地球的規模での環境保全や持続可能な森林経営を目指した違法伐採対策を推進すること。
6 森林整備地域活動支援交付金制度を継続するとともに、その充実を図ること。
 上記のとおり、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出いたします。
平成18年12月22日

宮城県大崎市議会議長 遠藤 悟

内閣総理大臣
外務大臣
財務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
環境大臣
衆議院議長
参議院議長
あて

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