大吉山瓦窯跡(古川地域)~新たに見つかった謎の瓦~
場所 | 古川小林字浦越 |
時代 | 奈良 |
指定の種類 | 国指定 |
文化財の種類 | 記念物 |
多賀城と同じ瓦が見つかった!
大吉山瓦窯跡出土「重弁蓮華文軒丸瓦」
(大崎市教育委員会出土)
大吉山瓦窯跡は、昭和47年(1972年)に開田に伴う農道工事が行われた際に発見されました。この時に出土した瓦の一つに、蓮の華をかたどった「重弁蓮華文軒丸瓦(じゅうべんれんげもんのきまるがわら)」があります。この瓦が、多賀城跡から出土した創建期の瓦と同じタイプであったことから、本遺跡が多賀城の創建時にふかれた瓦を生産した窯の一つであることが明らかとなりました。
その重要性から、昭和51年(1976年)3月に国の史跡に指定されました。
発掘調査で新発見
発掘調査で窯跡が見つかったようす
令和3~5年度(2021~2023年度)にかけて、本遺跡ではじめてとなる発掘調査が行われました。調査の結果、瓦を作った窯が6基と木炭を作った窯が1基見つかりました。また、窯のまわりには灰原(はいばら)があり、窯からかき出した灰や失敗品の瓦が見つかりました。
また、この調査の大きな成果として、平瓦の凸面(瓦を屋根にふいた際に下になる面)に蓮の花が陽刻された「陽出蓮華文平瓦(ようしゅつれんげもんひらがわら)」が出土しました。瓦の表面いっぱいに蓮の花の模様が規則的につけられており、このような模様のある瓦は多賀城では見つかっていない新種の瓦です。今後、多賀城や本遺跡の周辺の遺跡で調査が進めば、この瓦がどこへ運ばれて使われたかが分かるかもしれません。
見つかった木炭窯と窯の横につけられた煙出し

陽出蓮華文平瓦拓本
(原資料所蔵及び画像提供:東北歴史博物館)
もっと詳しく知りたいときは
発掘調査の報告書を読んでみる
発掘調査の成果を収録した報告書が刊行されています。大崎市図書館で読むことができるほか、奈良文化財研究所のウェブサイト「全国遺跡報告総覧」でも見ることができます。
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更新日:2024年10月29日