憲法と人権教育について

更新日:2023年02月09日

受付時期

令和3年10月

要望、提言などの内容

憲法は大切だ。自由にものを考え、自由に行動できるのも、憲法が個人の権利を保障しているからである。しかし、どのくらいの人がその大切さを十分に理解しているだろうか。

突然だが、「自由とエゴは仲良し(表裏一体)」ではないだろうか。

例えば「タバコを吸う自由」はあっても、非喫煙者に煙を吸わせる自由は無い。今は分煙に厳しいが、喫煙者が多かった昔は「非喫煙者の権利」は軽視された。

昨今「おしゃれの自由」を行使して、タトゥーを入れたり髪を染めている人は多い。しかし、「不快感を覚える人の権利」についても考えるべきであろう。

海外に目を移すと、コロナ禍でマスク着用が常識になったが、欧米では「マスクをしない自由」を掲げ、マスク着用を拒否する人たちがいるそうだ。

ただ、「マスクをする人の権利」も考えなければいけない。社会の多様性は大事だが、迷惑の基準は人それぞれ、自分の物差しでは分からない。「ひと様」や「ご迷惑」が日常語からあまり聞かれなくなった。自由がない社会は暮らしにくいが、エゴが多い社会もきっと暮らしにくいはずだ。

他人を思いやらなければ、権利がぶつかるのは必然である。自由な社会に暮らす以上は、権利と責任をしっかり理解すべきで、それは学校が重要な役割を果たすのではないかと思い、メールさせていただいた。

私も学校で憲法や基本的人権などを学んだが、当時は「テスト勉強のための知識」といった感じで、私たちの暮らしや社会と結びつけて考えていなかった。

学校教育では憲法をいつも身近において考えていただきたい。できれば、各学年に応じて「憲法の理念やできた背景」をしっかり学び、「権利(幸福追求権など)が衝突した場合はどうすればよいか」を有意義に話し合ってほしい。

理想は、「個人の自由と他者への思いやりの両立」だと思う。

 

回答時期

令和3年11月

回答内容

「自由とエゴは仲良し(表裏一体)」「迷惑の基準は人それぞれ自分の物差しでは分からない」といった内容は、おっしゃるとおりと思います。

自分の考え方を理解してもらいたいときには、相手の価値観を理解していることが大事です。自分の当たり前は、相手の当たり前ではありません。

人は、それぞれ考え方や視点、価値観は大きく違って当然ですし、どちらがいい悪いもありません。大事なことはその違いを理解した上で、相手と関わることです。これができそうで、なかなか難しいところです。

憲法については、小学6年生の社会科で初めて触れ、中学・高校と国家の理想、天皇の地位、三大原理や三権分立、国民の義務等、憲法の基本的な考え方を発達に応じ掘り下げて学んでいきます。学習の中で、憲法は人々から個人の権利を守るものであり、また憲法は社会の秩序を守るもので、時に個人の権利が他人の権利によって制限されることも学びます。

社会の時間だけではなく、学校生活においても主観的(自分の物差しだけ)に物事を捉えることなく、客観的(相手の物差しも)に考え、その上で自分の意見を言うといった「相手の立場に立って物事を考える心・自分の立場に置き換えて考えること」も教え育んでいくことが大事であると思います。

「個人の自由と他者への思いやりの両立」の提言につきましても、なかなか難しい課題ではありますが、本市といたしましては「自分がこうされたらうれしいからしてあげる」「自分があれをされたら嫌だからしない」といった相手の心が想像できるような、そんな心豊かな児童生徒が多く育ってほしいと教育に取り組んでいます。そして、子どもたちの将来が、秩序の中で自由に、そして互いに窮屈を感じないものになりますよう願っています。

 

担当課

教育部 学校教育課  0229‐72‐5033

 

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