大崎市地域自治体制整備実証事業
実証事業の趣旨
市では、市民が主体的にまちづくりを実践し、自立した地域運営を展開していくため、地域自治組織の基盤形成と市民協働によるまちづくりを推進しています。
しかしながら、近年では、地域の担い手の不足などによる組織役員の高齢化や重複化、事業の多様化などによる組織の弱体化が見受けられ、今後も地域自治組織の維持や、地域課題解決に向けた協働のまちづくりを発展させていくためには、これらの地域自治組織の組織体制の強化を図ることが急務となっています。
そこで、人口減少などによる地域課題の深刻な地域自治組織に対し、地域支援コーディネーターを地域雇用することで、煩雑化している地域自治組織の組織体制の強化と併せて、まちづくり団体事務局の運営支援を行いながら、地域行動計画を策定し、地域住民が必要としている事業を実施するためのコーディネート機能を含めた体制整備に対する推進策として、平成28年度に「地方創生に伴う大崎市地域自治組織戦略体制整備モデル事業」を創設し、地域提案による公募方式を採用するとともに、おおさきパートナーシップ(地域自治組織戦略体制整備モデル事業)協定書を締結し、より一層の地域自治組織の基盤形成と市民協働によるまちづくりを推進してきました。
平成31年度からは、当該モデル事業の検証を踏まえ、人口減少社会に適合する持続可能性を高める仕組みづくりを検討するため、令和3年度までの3年間を事業期間とする『大崎市地域自治体制整備実証事業』を実施しています。
大崎市地域自治体制整備実証事業は、人口減少時代の地域自治の推進体制をどのように描いていくのかを検討していくための重要な取組みとして位置づけています。
実証事業の実施内容
実証事業の実施にあたっては、大崎市地域自治体制整備実証事業交付金交付要綱を定め、おおさき市地方創生総合戦略に基づき、個性輝く小さな拠点づくりとネットワークの構築を推進するための地域自治組織の組織体制強化と地域の特性や資源を活かし、地域ニーズに即した事業の仕組みづくりの構築を目的に行う事業に要する経費について、大崎市地域自治体制整備実証事業交付金を交付しました。
実証事業実施団体は、「地域支援コーディネーター」を地域雇用し、地域の調整役として、地域における小さな拠点づくりとネットワークの構築を推進するため、次に掲げる業務を行っています。
- 地域自治組織の組織体制強化、または地域で活動する地域づくり団体の支援
- 地域自治を推進する中間支援組織など、これらの関係団体間のネットワークの構築
- 地域自治組織が地域住民と地域づくりを推進するための具体的な方法などを定めた地域行動計画の策定支援
- 地域づくり活動を担う人材を育てる体制づくりの支援
- 地域の生活支援体制の準備に係る調査の実施
- 地域の特性や資源を活かし、地域ニーズに即した事業企画の支援
大崎市地域自治体制整備実証事業交付金交付要綱 (PDFファイル: 326.9KB)
実証事業の期間の設定
住民自らが地域の課題を明らかにし、地域の将来像を相互に共有し、自立した事業活動を進めていくには、人材育成や情報の収集・発信、経営的な視点での活動、まちづくり団体や関係機関との連携・協力体制など、複雑かつ多岐にわたる取り組みを総合的に行っていく必要があることから、相当の時間がかかります。
また、地域自治組織を支援し、協働関係を構築していくということは行政にとっても課題になります。市民と行政の役割や立場、責任を明確にし、信頼関係を構築することにより地域力、行政力を高めていくためには、「地域自治を育てる」という視点からの行政の取組み(仕掛け)が重要となります。
そこで、平成31年4月1日から令和4年3月31日までの3年の期間を実証事業期間と定め、その分析・検証結果を踏まえながら、令和4年度以降の支援のあり方を見直すこととしました。
実証事業の実施対象者
実証事業交付金の交付対象者は、まちづくり協議会(大崎市まちづくり協議会条例(平成18年大崎市条例第25条))第2条に規定するまちづくり協議会をいう。)及び地域づくり委員会(大崎市まちづくり協議会条例施行規則(平成18年大崎市規則第24号)第4条に規定する地縁型の地域づくり委員会をいう。)です。
対象とする団体数は、まちづくり協議会が7団体、地縁型の地域づくり委員会が35団体としています。
地域提案による公募方式
実証事業は、「地域課題解決のための持続的な取組体制の構築」、「コミュニティ基盤の確立」など、あくまでも地域の多様性に対応した地域活動(課題)の特性・実情に応じた仕組みづくりになります。
実証事業の実施団体の選定は、「大崎市地域自治体制整備実証事業実施団体募集要項」を定め、画一・公平・平等を基調とした施策(コミュニティ・ミニマム)から、地域自治組織からの事業提案に基づく公募方式を採用しています。
パートナーシップ協定書の締結
実施団体と市は、おおさきパートナーシップ(地域自治組織体制整備実証事業)協定書を締結し、対等なパートナーシップのもとに事業運営に取り組み、より一層の地域自治組織の基盤形成と市民協働によるまちづくりを推進しています。
他施策との連動した実証事業の実施
1.地区公民館の指定管理制度との連携
大崎市総合計画の重点プロジェクトのひとつである大崎市流地域自治組織の確立とともに、市民協働型社会の実現と実現と行財政基盤の確立を目指すため、平成24年度から市内18の地区公民館に指定管理者制度を導入し、地域自治組織が地域運営を行っています。
公民館の究極の目標は「自治力」の向上であり、地区公民館の地域運営もそのひとつの手段・手法であるといえます。
実証事業の実施は、地区公民館の地域運営と併せて展開することで、地区公民館の円滑な運営及び地域自治組織の基盤形成がさらなる効果を生むものであり、連携事業として位置づけています。
2.地域包括ケアシステムの構築との一体的な推進
本市では、高齢者になっても住み慣れた地域で生き生きと生活ができるよう、既存の仕組みを生かした新しい包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進するため、平成29年度から社会福祉課内に地域包括ケア推進室を設け、「健康づくり」、「自立支援」に本市独自に「地域づくり」を加えた3つの柱で、地域と医療と介護が一体となった大崎市流包括ケアシステムを目指しています。
地域に「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」を配置し、すでに地域で行われている様々な事業活動に地域包括ケアの視点を取り入れるなど、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みとして、生活支援体制整備を行うことで、高齢者等の生活を支える地域の仕組みづくりを推進しています。
実証事業の実施にあたっては、「地域支援コーディネーター」の設置が必須となり、その業務は、生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)と重なる部分もあることから、地域支援コーディネーターと生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の機能・役割を一体のものとして推進していく仕組みを取り入れています。
さらには、協議体の形成を地域自治組織の単位として推進することで、多様な主体による介護予防・生活支援サービスの重層的な提供を行う基盤作りが行えるなど、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現することが期待されます。
地域自治体制整備実証事業実施団体
古川地域
団体名:高倉地区振興協議会
事業名
持続性の高い“くらし”を支える基盤形成プロジェクト~地域計画の起動・実践を通した組織の見直しと人材発掘・育成~ (PDFファイル: 187.2KB)
おおさきパートナーシップ協定の締結:平成31年3月27日
事業実施期間:平成31年4月1日から令和4年3月31日まで
岩出山地域
団体名:池月地域づくり委員会
事業名
おおさきパートナーシップ協定の締結:平成31年3月27日
事業実施期間:平成31年4月1日から令和4年3月31日まで
団体名:岩出山地域づくり委員会
事業名
地域団体ネットワーク整備と活性化バックアップ事業 (PDFファイル: 177.0KB)
おおさきパートナーシップ協定の締結:平成31年3月27日
事業実施期間:平成31年4月1日から令和4年3月31日まで
実証事業の実施状況
高倉地区振興協議会
令和元年度実績報告書(高倉地区振興協議会) (PDFファイル: 134.7KB)
令和2年度実績報告書(高倉地区振興協議会) (PDFファイル: 135.5KB)
池月地域づくり委員会
令和元年度実績報告書(池月地域づくり委員会) (PDFファイル: 199.5KB)
令和2年度実績報告書(池月地域づくり委員会) (PDFファイル: 185.1KB)
岩出山地域づくり委員会
令和元年度実績報告書(岩出山地域づくり委員会) (PDFファイル: 308.8KB)
令和2年度実績報告書(岩出山地域づくり委員会) (PDFファイル: 354.7KB)
検証委員会の設置
1.設置及び構成員
大崎市地域自治体制整備実証事業検証委員会設置規則により、市民活動支援、コミュニティ支援、市民と行政の協働推進、市民主体による地域課題解決に向けた地域づくりの推進及びコミュニティ・ビジネスの操業などに専門的な知識と経験を有する者の中から市長が委嘱した委員で構成されています。
委員区分 |
選出方法 |
---|---|
第1号委員 |
市民活動支援その他市政について優れた識見を有する者 |
第2号委員 |
学識経験を有する者 |
2.役割
- 大崎市地域自治体制整備実証事業交付金を交付する事業の適否の審査に関する事項
- 大崎市地域自治体制整備実証事業交付金を交付した事業の成果の評価に関する事項
- 持続可能な地域自治支援体制の仕組みづくりの調査及び研究並びに提言に関する事項
- 前3号に掲げるもののほか、必要な事項に関すること。
区分 |
氏名 |
所属 |
備考 |
---|---|---|---|
委員長 |
小野寺 浩樹 |
いちのせき市民活動センター長 |
第2号委員 |
副委員長 |
遠藤 智栄 |
地域社会デザイン・ラボ代表 |
第2号委員 |
委員 |
白旗 成典 |
NPO法人おおさき地域創造研究会代表 |
第1号委員 |
3.検証報告書
大崎市地域自治体制整備実証事業検証委員会において、実施団体の実践から積み重ねられた知識と経験に基づく意見や提案を集約しながら、事業運営の効果と運営上の課題などについて、ヒアリングを行い新制度設計に向け地域支援コーディネーターの役割等の方向性について検証しています。
詳しくは、大崎市地域自治体制整備実証事業検証報告書をご確認ください。
この記事に関するお問い合わせ先
まちづくり推進課
〒989-6188
大崎市古川七日町1-1 市役所本庁舎3階
電話番号:0229-23-5069(地域自治・NPO担当、公共交通担当)、0229-23-2103(男女共同参画推進室)
ファクス:0229-23-2427
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更新日:2022年04月13日