農地を転用するとき(農地法第4条・第5条)

更新日:2022年04月28日

農地転用許可制度

1 農地を転用するには農地法第4条または第5条の許可が必要

農地転用とは、自分の所有する農地を住宅地や店舗、道路、駐車場、資材置き場などの農地以外の用途にする行為のことです。

土地所有者自らが農地を転用する場合は、農地法第4条の規定に基づく許可が必要です。

また賃借権、使用貸借権などの権利の設定をする人、あるいは所有権の移転(売買、贈与)を受ける人が農地を転用する場合は、農地法第5条の規定に基づく許可が必要です。

許可を受けないで転用した場合には、罰則や原状回復是正指導が行われます。

2 農地転用許可申請から許可までの期間

農地転用許可は、農業委員会に許可申請書を提出し、県知事(4ヘクタールを超える転用は、農林水産大臣と協議)が行います。

農業委員会への申請の受付締切日は基本毎月10日です。受け付けた許可申請を基本当月25日に開催する総会で審議した後、意見を付して県知事に進達します。

許可申請書などに問題がなければ、3000平方メートル未満の案件は翌月の中旬に、3000平方メートル以上の案件は翌月の下旬に許可されます。

農地法では、農用地区地域内にある農地や建築物等の整備を伴わない土地の造成のみを目的とした農地の転用は、原則として許可されません。

一般的な許可基準

農地を転用する場合には、立地条件を満たすと同時に、一般的な基準を満たすことが必要です。

一般許可基準

  1. 事業実施の確実性

(ア) 資力および信用があると認められること

(イ) 転用行為の妨げとなる権利を有する者の同意があること

(ウ) 行政庁の許認可などの処分の見込みがあること

(エ) 遅滞なく転用目的に供すると認められること

(オ) 農地転用面積が転用目的からみて適正と認められること(必要最低限の面積)

  1. 被害防除

(ア) 周辺農地に係る営農条件に支障を生ずるおそれのないこと

(イ) 農業用用排水施設の有する機能に支障を生ずるおそれのないこと

(ウ) 土砂の流出、崩落など災害を発生させるおそれのないこと

  1. 一時転用の場合、前記の基準に加えて、次の基準に適合する必要あり

(ア) 事業終了後、その土地が耕作の目的に供されることが確実と認められること

立地基準

立地基準は、農地を原則転用の認められない優良農地である甲種農地や第一種農地、市街化が進み原則として許可することができる第三種農地、および、その中間の第二種農地などに分類し、それぞれ詳細に基準が定められています。

ア 農用地区域内農地

定義:市町村農業振興地域整備計画の農用地利用計画で農用地区域として定められた区域内の農地

基準:次の場合を除いて、許可できません。

  1. 農用地利用計画で指定された用途(農業用施設用地など)にしたがって行われる場合
  2. 仮設工作物の設置、その他の一時的な利用に供するために必要であると認められる場合

イ 第一種農地

定義:ア以外の農地で、おおむね10ヘクタール以上のまとまりのある農地、土地改良事業が行われた農地あるいは農業生産力の高い農地など良好な営農条件を備えている農地

基準:次の例外を除き、原則として許可できません。

  1. 農業用施設、都市住民との交流施設、集会施設などの農業者の良好な生活環境を確保するための施設など、地域の農業の振興に資する施設の用に供する場合
  2. 火薬庫など市街地に設置することが不適当な施設の用に供する場合
  3. 文化財の発掘や資源の採取など特別な立地条件を必要とする事業の用に供する場合など

ウ 甲種農地

定義:ア以外の農地で、市街化調整区域内で第一種農地の要件に該当する農地のうち、ほ場整備等の土地改良事業が行われて8年を経過していない農地などの特に良好な営農条件を備えている農地

基準:第一種農地の基準にほぼ同じですが、例外的に許可される場合がさらに限定されています

エ 第三種農地

定義:ア以外の農地で、市街地の区域内又は市街化の傾向が著しい区域内にある農地

基準:第三種農地の転用は、許可することができます。

オ 第二種農地

定義:ア以外の農地で、甲種農地、第一種農地及び第三種農地のいずれにも該当しない農地(山間地にある農業公共投資(ほ場整備事業など)の対象となっていない集団性のない生産性の低い農地などがこれにあたります。)

基準:転用しようとする土地に代えて周辺の他の土地で申請目的を達成することができる場合は、原則として許可できません。

農地法第4条

農地の所有者が自ら農地を転用する場合に該当する条文で、農地所有者が申請することとなります。

農地法第5条

農地を転用する際に所有権の移転などが伴う場合に該当する条文で、農地所有者と買主(借主)双方の連名で申請することとなります。

農地の一時転用

一時的に資材置場や砂利採取場などに利用する場合も転用になりますので、農地法による県知事(4ヘクタールを超える転用は、農林水産大臣と協議)の転用許可が必要です。

転用期間が終了した時には、農地へ復元しなければなりません。

農地の現状変更

次の要件を充たすものは、農地改良行為として農業委員会への届出を行えばよいことになっています。

(ア)農地の耕作者自らが施行する農地改良行為であること

(イ)盛土を行う場合、耕作に適した良質土のみを使用すること

(ウ)農地の現状変更に伴い耕作を中断する期間は、6ヶ月以内であること

(エ)農業用施設(畜舎、温室、堆肥舎、種苗貯蔵施設、農機具収納施設、農業用倉庫)を設置する場合の施行面積が2アール未満であること

注意

  1. 現状変更は、農地の条件を改善するためのもので、農地転用を前提とした盛土は認めません。
  2. 工事完了後は耕作できる状態にしていただき、何らかの作物を作付けしていただきます。
  3. 土地所有者と工事施工者が連名で下記の誓約書を出していただくこととなります。

許可不要の場合

国、県が転用する場合や市町村が土地収用法対象事業のため転用する場合などは許可が不要です。

違反転用の罰則

  1. 違反転用は罰せられます

違反転用などをした土地所有者または事業者に対しては、原状回復命令や懲役・罰金などの非常に重い罰則があります。

  1. 許可を受けずに転用や許可どおりに転用しなかったら...

農地を転用したり、転用のために農地を売買などするときは、原則として農地転用許可を受けなければなりません。

許可後において転用目的を変更する場合などには、事業計画の変更の手続きを行う必要があります。この許可を受けないで無断で農地を転用した場合や、転用許可に係る事業計画どおりに転用していない場合には、農地法に違反することとなり、工事の中止や原状回復などの命令がなされる場合があります。(農地法第51条)

さらに、懲役や罰金という罰則の適用もあります。(農地法第64条から第69条)

農地の違反転用の未然防止

農地を転用する場合には、農地法に基づく適正な手続きをお願いします。

農地を無断で転用すると、場合によっては、刑事告発の対象となります。

農地は、大切な食料の供給基盤です。一度農地以外のものにされると元に戻すことは極めて難しいことから、農地の転用は、計画的な土地利用のもとに適正に行われる必要があります。

わが国の食料自給力を高めるとともに、次の世代の食料安全保障のためにも、みんなで優良な農地を守っていきましょう。

この記事に関するお問い合わせ先

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